2018 Fiscal Year Research-status Report
CXCR4利用性HIV-1の維持・淘汰に関わる宿主側・ウイルス側因子の多面的解析
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16K09938
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 洋助 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (30284764)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HIV-1 / コレセプター / CCR5 / CXCR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハノイを中心とした北ベトナム地域のHIV-1陽性血漿からHIV-1が分離された感染者の中で,分離されたウイルスと血漿中vRNAのコレセプター利用性が異なる症例があることを明らかにした。さらにそれぞれの症例において,分離ウイルスと血漿vRNAのenv領域を解析したところ,コレセプター利用性を決定しているV3領域の配列が異なっていることが判明した。そこでそれぞれの感染者の血漿vRNAの中に,分離されたHIV-1のウイルス配列が存在しているかどうかを,次世代シークエンス(NGS)を使用して解析した。特にコレセプター利用性を決定しているV3領域を血漿vRNAからPCRで増幅してNGSライブラリーを作製し,次世代シークエンサーで塩基配列を解析した。今回解析した3症例においては,分離されたウイルスと血漿vRNAでは,V3領域においてコレセプター利用性に対応して異なる配列を有していることから,それぞれの症例においてコレセプター利用性の異なるV3領域の配列の数をそれぞれ求めた。結果,2症例においては,血漿中にメジャーなポピュレーションと考えられたR5ウイルスのV3配列が多数検出され,分離されたX4ウイルス配列も少数ではあるが血漿vRNAから検出された。一方,血漿vRNA中に多数のX4の配列が検出されていた1症例においては,X4の配列以外にR5の配列がNGS解析で検出できた。このことは,分離されたウイルスは,生体内でその増殖が抑えられているものの,その複製能は保持された状態で維持されていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ほぼ感染実験は終了したが,論文の投稿に向けて追加での次世代シークエンサーでに解析が必要と考えられる。その結果をまとめて本年度中に論文を投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
分離したウイルス集団から,コレセプター利用性の異なるウイルスをそれぞれ単離し,それぞれのウイルス学的性質の違いを明らかにし,コレセプター利用性の異なる2種類のウイルスが,なぜ同一感染個体内で共存できるかについて研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
追加での次世代シーケンサーでの解析が必要である。さらに論文作成のための英文校正と論文投稿料ないし掲載料が必要である。また学会での報告のための旅費と諸費用が必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Existence of infectious minor HIV-1 variants with different coreceptor usage in the plasma of HIV-1-infected individuals2018
Author(s)
Maeda Y, Takemura T, Terasawa H, Kuwata T, Fujimoto Riito, Akahoshi T, Chikata T, Murakoshi H, Tran GV, Monde K, Nguen KV, Yamashiro T, Hasebe F, Matsushita S, Sawa T, Takiguchi M
Organizer
第66回日本ウイルス学会学術集会