2016 Fiscal Year Research-status Report
川崎病発症に関与する複数スーパー抗原解明への新たなアプローチ
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16K10072
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80196865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10246522)
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70433365)
垣本 信幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90614412)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 川崎病 / スーパー抗原 / 遺伝子水平伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:口腔・咽頭に存在し、川崎病の病因への関与が想定出来なかった常在菌(主にレンサ球菌)に、本来St.pyogenes (GAS)が保有するスーパー抗原(SAg)遺伝子のtranferの可能性を想定し、そのSAg遺伝子を保有する細菌種を同定し、KD発症への関与を解明することが目的である。今年度の研究成果:研究開始に先立ってpreliminaryに収集していた症例も併せて検討した。従って、平成27年1月から平成28年6月までに川崎病診断基準を満たして当院に入院した川崎病患児46例を対象とした。入院時時に咽頭ぬぐい液を採取して、液体培地(Brain-Heart Infusion Broth)を用いてovernightで増菌培養し、DNA Mini Kit (QIAGEN)を用いて全DNAを抽出し、4つのスーパー抗原遺伝子(SPE-A, SPE-C, SPE-G, SPE-J)断片についてPCRで検討した。当初は陽性率が低かったので様々なPCRの条件を変更し、スーパー抗原遺伝子断片の検出率が改善された。その結果、1つ以上のすーパー抗原遺伝子が検出されたのは、46例中8例であった。個々のスーパー抗原遺伝子について陽性例は、SPE-Gが4例、SPE-Cが4例、SPE-Jが1例、SPE-Aは検出されなかった。2つ以上のスーパー抗原遺伝子が検出されたのは1例で、この1例の咽頭ぬぐい液から培養した菌からSPE-GとSPE-Cの2種のDNA断片が検出された。さらに、得られた咽頭培養液を-80°に保存した。さらに、患児から得られた液体培地中の細菌をマイトマイシンを用いて再度増菌培養してphageを誘導し、SPE-G, C, Jを保有するPhageが得られるかどうかも検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数は着実に集積出来ているが、培養方法、phage DNAの誘導や抽出方法、さらにPCRの様々な条件設定を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
phage遺伝子の検出のためにマイトマイシン添加の培養を試みている。さらに、口腔内細菌だけではなく、肛門スワブから得た培養菌についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
研究が遅れ気味のために、研究費の使用が予定額に達しなかった。また、消耗品については節約できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、研究ペースをアップするためにこの差額は解消されると考える。
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Research Products
(7 results)