2017 Fiscal Year Research-status Report
ハイドロゲン・ナノバブルを用いた壊死性腸炎に対する画期的治療法の開発
Project/Area Number |
16K10095
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川野 孝文 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40457651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
山田 和歌 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (20457659)
加治 建 鹿児島大学, 附属病院, 特任教授 (50315420)
中目 和彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70448570)
向井 基 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80468024)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (80528042)
大西 峻 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (10614638)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ハイドロゲン・ナノバブル / 壊死性腸炎 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は壊死性腸炎モデルラットを用いて、抗酸化物質と言われている、水素の投与により、壊死性腸炎を予防、もしくは治療できないかの治療効果の検討とメカニズムの解明を行う。壊死性腸炎は、フリーラジカルも関与していると考えられており、水抗酸化物質が、壊死性腸炎の予防、治療に効果が期待できることは、数々の実験で報告されている。水素は抗酸化物質であるが、現在、水素ガスは、心肺停止の患者に臨床応用されており、また、水素水も、様々な動物実験で用いられているが、水素水自体は、不安定であり、今回は、既存の水素水やガスでの投与でなくナノバブル技術を応用し、水素を含む安定なナノバブル水であるハイドロゲン・ナノバブルを作成しこれを実験に用いる。動物モデルに関してはすでに当研究グループで確立している方法を用いたが、改良を必要とし効率よく、実験を進めていけるように工夫した。通常の1気圧での水では、約1.6ppmが自然界の水素分子が溶け込む溶存水素濃度の飽和値であるが、ハイドロゲンナノバブルを用いることにより、水素濃度を2.4ppm程度まで、上昇させることができた。壊死性腸炎モデルに現在投与を行う実験を繰り返している状況であるが、投与方法、量などまた評価方法について、改善や検討が必要である。組織確認も行っており、ざっと観察した限りでは、効果がみられるように感じられ、今後の組織学的検討、生化学的検討、または、分子生物学的検討を追加して行い、効果のほどを検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年壊死性腸炎モデルも、発生頻度を改良することにより、上げることができた。またハイドロゲンナノバブルの作成も行い、実験プロトコールとして(1) 投与経路の検討 腹腔内投与 vs消化管内投与(2) 投与時期の検討 早期投与vs晩期投与。また、早期投与群(予防的投与群) : 生後と6時間毎に投与する群と晩期投与群(治療的投与群) : 生後48時間後より投与開始し、6時間毎に投与する群とに分けて、施行した、検体は採取済みであり、組織学的検討も進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、組織学的評価として全腸管長、生存率、crypt cell prolifirationの計測、検討中である。今年は、さらにメカニズムの解明に向けて、サイトカインや、酸化ストレスの指標などの評価、さらに分子生物学的評価を加えていきたい。
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Causes of Carryover |
消耗品を予定よりも安価に購入することが出来た。 実験用試薬購入に充てる事とする。
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