2017 Fiscal Year Research-status Report
新生児期虚血低酸素時の脳内エリスロポエチンによるミクログリア活性化制御脳保護効果
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16K10101
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
青山 峰芳 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (70363918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 恭聖 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60405165)
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70212462)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エリスロポエチン / グリア / ミクログリア / 神経保護 / サイトカイン / 脳室周囲白質軟化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳室周囲白質軟化症(PVL)は、早産児に特有で比較的軽度の虚血から脳室周囲白質の傷害を引き起こし、脳性麻痺の主な原因となる重篤な疾患である。病態に関してミクログリアの関与が報告されているが、確実な治療法は現在のところない。申請者は、造血作用ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)の脳保護作用について研究を続けてきた。特に、虚血低酸素状態においてアストロサイトから分泌されるEPOの作用に注目してきた。これまでの細胞レベルの解析により、ニューロンとグリア間、グリアとグリア間のEPOを介したクロストークが細胞保護および分化に重要であることを明らかにした。本研究では、発達段階での中枢神経においてEPOによるミクログリアの活性化調節作用に注目したPVLに対する新規の脳保護効果について解析する。本年度は、昨年度に引き続きミクログリア細胞株であるBV2細胞を使用してサイトカインの産生能に与えるEPOの効果について解析した。ミクログリアの活性化の指標となるサイトカインの産生能はEPO投与により減弱することを確認した。経時的変化を解析したところ遺伝子発現がピークの時に顕著に抑制されることを確認した。ミクログリア活性化に関与するシグナルに与えるEPOの効果について解析するために複数の活性化シグナルについてウエスタンブロットを用いてEPOによる活性化の変化について解析を開始した。同時に、細胞株のみならずミクログリア初代培養細胞を用いて、細胞株と初代培養細胞のEPOの反応性のちがいについても解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミクログリアの活性化に対するEPOの作用メカニズムについて、細胞株および初代培養細胞を用いて解析を開始した。また、研究成果を学会発表し、高い評価をうけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
EPOの作用メカニズムの解明を継続して行う。さらに、EPOによるミクログリアの活性化制御がニューロンやオリゴデンドロサイトにどのような影響を与えるか解析する計画である。
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Causes of Carryover |
比較的順調に実験を遂行することができ、次年度に使用する予定である。
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[Presentation] The inhibitory effects of tacrolimus on gliostatin production in RA synoviocytes.2017
Author(s)
Ikuta K, Waguri-Nagaya Y, Kawaguchi Y , Tatematsu N, Kobayashi M, Goto H, Nozaki M, Aoyama M, Asai K, Otsuka T.
Organizer
Annual European Congress of Rheumatology (EULAR2017), 2017.6.14-17, IFEMA’s Convention and Congress Centres (Madrid, Spain).
Int'l Joint Research
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