2019 Fiscal Year Annual Research Report
Sleep problems : early signs of neurodevelopmental disorders
Project/Area Number |
16K10252
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀内 史枝 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50363247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
河邉 憲太郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (90457375)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幼児 / 睡眠 / 自閉特性 / 睡眠覚醒リズム / 入床時のむずがり / 日中の眠気 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:自閉スペクトラム症(ASD)には、睡眠障害の併存が多いとの報告は近年散見される。幼少期に睡眠覚醒リズムの構築ができず苦労したと語るASDの保護者も少なくない。これまでにASDの診断前の睡眠の問題に焦点をあてた報告はほぼない。今回我々は18ケ月の幼児を対象に自閉特性と睡眠習慣/睡眠に関する問題との関連について明らかにすることを目的とした。 対象と方法:市町村の1.5歳健康診査に参加した幼児とその保護者を対象とした。自閉特性は修正版乳幼児期自閉症チェックリスト(M-CHAT-JV)を用い、睡眠習慣/睡眠の問題については児童青年睡眠チェックリスト(CASC) を用いた。 結果:対象者は426名(男児204名、女児222名)であった。M-CAHT-JVのprominent10項目中2項目以上陽性であった自閉特性〈+〉群が26名(6.1%)、非自閉特性〈-〉群が400名(93.9%)であった。自閉特性〈+〉群は男児が有意に多かった(p=0.002). 睡眠習慣については両群で有意な差を認めなかったが、睡眠の問題に関しては、入床時のむずがり(p=0.002)、毎晩の睡眠時間の変動(p=0.003)、日中の昼寝以外の眠気(p=0.028)の項目において自閉特性〈+〉群が有意に高頻度で出現していた。ロジステック回帰分析の結果、自閉特性と有意に関連があったのは眠気以外の日中の眠気(OR=2.03 95% CI=1.21-3.39)であった。 考察:自閉特性を有する幼児は、睡眠覚醒リズムに関連する問題を有していることが明らかになった。幼児に睡眠覚醒リズムに関する問題がある場合は睡眠の問題のみならず、発達の側面においても経過観察する必要があろう。発達の遅れに気づきがない場合も、保護者にとって睡眠の問題は可視化されやすく、介入を受け入れやすい。発達と睡眠の問題を幼児期から着目する必要がある。
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