2017 Fiscal Year Research-status Report
形態・機能画像と数値流体力学による慢性血栓塞栓性肺高血圧症の肺血流解析
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16K10265
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大田 英揮 東北大学, 大学病院, 助教 (40586905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20400418)
杉村 宏一郎 東北大学, 大学病院, 講師 (60375079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / CT / MRI / 血管内治療 / 放射線診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対して4D flow MRIとデュアルエナジーCTから得られる情報に数値流体力学解析を導入することで,1. 血流解析モデルの構築,2. 画像データベースの構築と,肺血流解析に基づく重症度分類,3. 最低限のリスクで効率的な血管拡張術を行うtarget lesionの同定を行うことである. 臨床データ蓄積について:慢性肺血栓性肺高血圧症の患者に対して,デュアルエナジーCTと4D flow MRIを含む心臓MRI画像を撮像した.また,昨年度は,4D flow MRIの解析ソフトから,各ボクセル内に含まれる三次元ベクトルデータを抽出し,商用の汎用ソフト上に読み込みが出来ることを確認した.今年度は,撮像された4D flow MRIからのパラメーター測定を行うための,臨床データ蓄積を行った.
臨床データ解析について: 1.慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する肺動脈血管形成術前後における,デュアルエナジーCTの画像解析を行った.CT画像における血管領域と肺実質領域の分離を行い,血管領域と肺実質領域それぞれにおける,濃度変化を求めた.その結果,血管領域の濃度分布の広がり(interquartile range)の変化と肺実質の濃度の中央値の変化が,治療前後における右心カテーテル検査で計測された肺動脈圧の変化と有意に相関していた(論文出版済). 2.新規患者で撮像された,肺内シャント評価目的のCT画像を詳細に評肺灌流画像における灌流欠損との相関性を検討した.その結果,肺内シャントの半定量スコアと,平均肺動脈圧の程度が相関していることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性肺血栓性肺高血圧症は稀少疾患であり,当初の計画より新規患者の登録状況がやや遅れているためである.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,症例をデータベースに蓄積中である.来年度には,4D Flow MRIから得られるパラメーターと,臨床データの関連性を明らかにするための解析を進めていく. Dual energy CTの画像データからは,治療前後の画像に対するテクスチャー解析を進める.
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Causes of Carryover |
(理由)設備備品費の購入を延期したため,次年度使用額が生じた. (使用計画)設備備品の購入,消耗品の購入を計画している.また,海外・国内での学会発表,及び論文執筆に関わる支出としての使用を計画している.
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