2016 Fiscal Year Research-status Report
非造影MRI画像を用いたステントグラフト内挿術後の大動脈瘤予後予測システムの開発
Project/Area Number |
16K10311
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川田 紘資 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00585276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90402205)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60643020)
河合 信行 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20724561)
子安 裕美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (70610426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非造影MRI / 腹部大動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は近年確立された低侵襲的治療法であり,全世界で多く行われ,その有効性も確立している.一方で長期成績が徐々に判明するに従い,開腹による人工血管置換術と比較し術直後合併症は少なく,長期予後も同等だが,手術後の瘤径拡大により追加治療が必要となる症例が存在し,稀に死亡例も報告されている.そのため患者は複数回に及ぶ造影CTにより経過観察され,それに伴うX線被ばくや造影剤腎症のリスクは無視できないものである一方MRI 撮像技術の進歩はこれらのリスクを伴うことなく,正確な血管系疾患の評価を可能としている.本研究では非造影MRI 撮像にて治療後の大動脈瘤の拍動動態を解析し,破裂や破裂を予防するための追加治療の必要性を早期に予測するためのアルゴリズムを開発することを目的としている.平成28年度はおよそ1-2 秒間隔での時間分解能を有する撮像シーケンスの改良に取り組み,パラメーターの最適化を行い,撮像パラメータの確定を行った.平成29年度は平成28年度に確立,最適化したパラメーターを使用して臨床画像データの収集を引き続き積極的に行っていく予定である.同時に撮像した臨床画像を用いて,臨床データとも対比しながら画像解析法について検討を行い,最適な解析法の決定を行っていく予定であり,平成29年度中には上記の解析を進めつつ,日本医学放射線学会,日本磁気共鳴医学会,北米放射線学会等への学会発表,論文作成および投稿を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で明らかにしようと試みている点として大きく①大動脈瘤の動態観察に適した撮像パラメーターを明らかにすること ②画像解析法の決定③臨床データ解析が挙げられ,上記のうち①はほぼ終了している状態である.②,③の為のデータ収集については周囲の協力が得られつつ有り,平成29年度当初よりすぐにデータ取得が可能と思われ,解析に必要十分なデータを得られる見込みがあると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データ取得後の大動脈瘤動態解析が現時点でこの研究の最大の課題と思われ,その解析法の決定に全力を挙げる. 過去の心臓MRIや大動脈瘤動態解析に複数の方法が用いられ,研究発表されており,それらの応用等を参考としながらデータ解析を早急に進める計画である.
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Causes of Carryover |
今回の実験においてファントム作製に3DーPrinterを用いて実験を行う計画で進めていたが,血管モデルを作製するのに適し,かつ予算の範囲内で必要十分な機能を備えた3D-Printerの選定に手間取り,決定できず,決定後も購入手続き等にやや難渋しているため,初年度使用額が抑えめとなってしまい,次年度使用額が生じることとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ファントム作製は自力で可能な範囲にとどめ実験を進めているが,3D-Printerで作製したファントムの方がよりよい成果を得られる可能性が高いため,選定したPrinterをできるだけ早期に購入し,ファントム作製を行って実験を進める.
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