2016 Fiscal Year Research-status Report
小児から老人まで、機能的脳MRIと生理学的指標とから見た発達・加齢
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16K10313
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中根 俊樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60569789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 慎二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50242863)
城所 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20647466)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRI / 脳機能画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、広い年齢層を対象にして、MRIを用いた安静時の脳機能の活動と、心拍や呼吸といった生理学的指標に現れる自律神経系の機能をそれらの指標を同時に計測し統合的に解析して評価する方法を確立し、発達、加齢についても評価を行うことである。このため、関連する諸文献を検索し、MRIを用いた実験の実際の方法と、解析についての考察を進めてきた。検査における指標の一つとして安静時脳機能画像を撮像する際に使用するパルス・シーケンスの変更や組み合わせの工夫により、ミスマッチ反応課題のような定位反応を無課題で達成し、かつ現状の施設で使用可能な方法についても現在検討中のことがらである。 呼吸・循環といった生理学的指標となる身体機能を司る中枢神経系の解剖上の座として、自律神経系との関連が報告(Chang et al., 2013)されている視床や脳幹といった脳の深部の構造については、一般的に普及している3 tesla程度の静磁場強度のMRI装置を用いた撮像では評価が難しくなることが経験的に予想されることから新たな撮像法について検討を加えた。これらの解剖学的領域は国内の多くの施設で採用されているMRI装置の静磁場強度である3 teslaの磁場強度では描出が不十分であるが、MRIの信号雑音比は静磁場強度にほぼ比例することから、今回はより細かな解剖画像の取得を期待できる7 teslaの静磁場強度のMRI装置のある近隣の施設との共同研究を申請している。 参考文献: Chang et al. Association between heart rate variability and fluctuations in resting-state functional connectivity. Neuroimage. 2013 March; 68: 93-104.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
MRIを用いた安静時の脳機能の撮像と、生理学的指標との関連について、参考文献の検索を進めているが、実験を実施するにあたり適当と思われる情報を見出すことが困難で、まだ幾ばくかの検討を要する。 ミスマッチ検出課題のような定位反応を通常のMRI撮像において実現するためのパルス・シーケンスの工夫について、その手法を確立することができていない。 得られる脳機能画像と関連の深い脳の詳細な解剖画像を取得するため、他施設に協力を依頼しているが、その実験の開始に至るまでの手続きを終えることができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した撮像方法の検討を進め、脳機能画像や脳解剖画像の取得を進める。特に他施設を交えての手続きの面で時間を要する事柄はやむを得ないとしても、直ぐに実施可能な実験については、検討を進めていくためにも可能な限り実施を試みる。同時期に実験結果の解析を進め、発表を行う。
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Causes of Carryover |
実験全体としての進捗状況に当初の予定より遅れがあり、見込まれた機材の購入費、研究発表等の旅費などに使用されないものが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の実施にあたって必要な文献のさらなる購入に加え、施設内の移動、出張等で使用するモバイルコンピューターの購入、協力研究機関との討論、実験の実施、発表の際の出張費用に使用する。
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