2018 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的なエストロゲン受容体および低酸素PETによる乳癌治療戦略構築のための研究
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16K10361
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90283142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 登茂彦 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20526660)
佐伯 俊昭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50201512)
上田 重人 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20646947)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / 低酸素 / F-18-FMISO / エストロゲン受容体 / F-18-FES |
Outline of Annual Research Achievements |
最終的に対象は44例の初発StageⅡ/Ⅲ原発性乳癌患者44名で行った。腫瘍へのFDG集積度(SUVmax)、FMISO集積(FMISO-TBR)を計測し、針生検または手術組織によって得られた病理組織学的因子との相関を検討した。また、基礎的検討として、FMISO集積の定量パラメータについて検討した。SUVmaxと血液プールに対する腫瘍放射能比(TBR)の関係を確認した。結果は、r=0.94, p<0.001の良好な相関関係が見られた。さらに44名のうち同意の得られた17名で血液サンプルから遠心分離器で血漿を採取し、ELISA法で37種類のサイトカインを測定した。相関の高かったのはVEGF、IL-8、TGF1αであった。いずれも新生血管増生と関わりの強い因子である。予後との相関から、FMISO-TBRのカットオフ値は、1.48としたところ、VEGF、IL-8、TGF1αで有意差が認められた。 予後解析として治療開始前にFDG-PET/CTとFMISO-PET/CTをペアで施行し、原発巣のFDG-SUVmax、FMISO-TBRを測定した。無病生存率(DFS)、全生存率(OS)との相関を比較し検討した。全症例について解析すると、FMISO-TBR高値群でDFS・OSともに予後不良であった。ER陽性乳癌とER陰性乳癌に分けて解析すると、ER陽性乳癌ではDFS(p < 0.0001)およびOS(p =< 0.0001)のいずれもFMISO-TBR高値群でFMISO-TBR低値群と比較し予後不良であった。一方、ER陰性乳癌ではDFS(p = 0.9)、OS(p = 0.5)において両群間で有意差がみられなかった。 結論として、①乳癌のFMISO集積はER陽性乳癌の予後因子となった。②この結果は、腫瘍径・核グレード・リンパ節転移には関係なく、乳がん再発のbaseline riskを知る上で重要な情報となりうる。③FMISO-PET/CTは、低酸素を定量化するイメージング法として臨床的に有用であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画された臨床PET研究は実施終了した。今後は詳細な解析を行う段階まで進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の臨床PET実施は一旦終了した。 PETデータについて、十分な数が集積したので、低酸素の進展とFDG集積度とFMISO集積度の関係を調べ、近赤外線光イメージングによる腫瘍内血流量やヘモグロビンによる低酸素度測定との関連を調べる。また、予後の違いが見られたエストロゲン受容体発現度による低酸素度と関係の違いについても確認する予定である。
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Causes of Carryover |
臨床PET研究に使用予定の薬剤を別に購入したので、余裕ができたため。新たな研究解析を追加し、発表するためにために、予算を次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Intracellular hypoxia measured by 18F-fluoromisonidazole positron emission tomography has prognostic impact in patients with estrogen receptor-positive breast cancer2018
Author(s)
Asano A., Ueda S., Kuji I., Yamane T., Takeuchi H., Hirokawa E., Sugitani I., Shimada H., Hasebe T., Osaki A., Saeki T.
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Journal Title
Breast Cancer Res
Volume: 20
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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