2016 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療後晩期有害事象に対する高気圧酸素療法の研究
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16K10382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松下 晴雄 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20302250)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線治療有害事象 / 高気圧酸素療法 / 啓蒙 / 情報収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院での実臨床において、放射線治療によると考えられる晩期障害症例に対し積極的に高気圧酸素療法を施行した。また、その治療経過を観察した。 具体的には、放射線治療後に遷延していた食道潰瘍1例、放射線治療後筋膜炎、軟部組織硬化などによると思われる頸部絞扼感1例、放射線治療後下顎骨壊死2例、放射線治療後上肢浮腫1例、放射線治療後の直腸粘膜毛細血管拡張からの排便時出血1例であった。 また、日本医学放射線学会学術総会、日本放射線腫瘍学会に参加し、放射線治療の晩期有害事象の発症や、治療手段について情報収集を行った。 さらに北日本腫瘍学研究会や晩翠通りカンファレンスなどの学術集会において、放射線治療の晩期有害事象やその治療方法に関して、特に高気圧酸素療法の適応疾患や治療効果について情報発信や啓蒙を行った。気仙沼市立病院でも職員向けの講演において、放射線治療の副作用及びその治療法に関して説明し、高気圧酸素療法の適応となる疾患があること、およびその治療効果などについて情報を発信した。 その他、東北大学病院高圧酸素療法室のスタッフ、主に medical engineer の方々と面談し、現時点での高気圧酸素療法を行う上での問題点、長期展望などについてのヒアリングを行った。簡易データベース様の情報蓄積はあるものの、病院情報システムとのrふぇん動静がなく、また会計システムとの連携も構築されていないなどの問題点が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、高気圧酸素療法に関する主たる学会である日本高気圧環境・潜水医学会、学術総会に参加し、学会に入会することを予定していたが、別の院内業務と重複してしまい、実行できなかった。 また、当施設の高気圧酸素療法の治療データに関し、独自のデータベース検索も考えていたが、施設内での体制の変化などもあり、データベース作成はもう少し時期を遅らせたほうが適当であると判断し、データベース用のPC購入なども見送った。 さらに、岩手医科大学病院症例とのデータの統合ももくろんでいたが、当施設担当の有賀教授と現状の情報交換を行ったにとどまり、具体的なデータ入手はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もデータ収集を進め、治療効果判定に有用な前向きデータが集積できるようなデータベース構築を行いたい。また、日本高気圧環境・潜水医学会、学術総会に参加し、治療効果、治療メカニズムに関する知見を広めたい。 さらに、岩手医科大との共同データベース作成も考えたい。
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Causes of Carryover |
当初予定では今年度にデータベース作成用のPCを購入する予定であったが、当施設の高圧酸素治療室の診療体制が変化している時期に当たっており、当施設の診療端末とのかかわり方がどうなるか不透明な状況であった。そのため当年度でデータベース作成することが、困難となり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
診療体制が固定したと考えられる時点で、データベース構築目的でPC(データベース用ソフトも含め)の購入を行いたい。
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Research Products
(2 results)