2017 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental research for accelerator-based boron neutron capture therapy and consideration of the protocol for the clinical trial
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16K10410
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
井垣 浩 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (90361344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医学物理士 (20638374)
伊丹 純 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (40505377)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / 直線加速器 / リチウムターゲット / 悪性黒色腫 / 血管肉腫 / 治験 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立がん研究センターに設置されているBNCT用中性子照射装置(2016年2月設置完了予定)は2.5MeVの陽子加速器、リチウムターゲット系および中性子減速材で構成され、この組み合わせでのBNCT用治療装置が病院に設置されるのは世界初である。このためまず、装置から出力される中性子の物理データおよび生物データを取得することを本研究の第1段階とし、それらのデータに基づいて臨床試験プロトコールを作成して治験を開始することを本研究の最終目標とした。 ビーム特性の物理データのうち、中性子のエネルギーのスペクトルの測定は、金線を用いた多重放射化箔法により行う。放射化により前述の金線から放出される特定エネルギーのγ線をHPGe半導体検出器で測定したデータを基にアンフォールディングコードを用いて行い、その物理データをもとに、一連の生物データ取得を行っている。当初予定していたよりも安定した中性子出力に時間がかかったが、機器運用条件およびリチウムターゲットの蒸着条件の等を検討した結果、平成29年度中にその目標を達成した。更に、中性子線のrelative biological effectiveness (RBE)を算出するための細胞照射、マウスを用いた動物照射実験も完了した。平成30年度には引き続き、ホウ素薬剤を用いた細胞照射実験、動物照射実験により、BNCTの臨床効果の基礎となる実験データを得る見込みである。 また、上記によって得られた物理データおよび生物データに基づいて、悪性黒色腫および血管肉腫を対象として行うBNCT治験の臨床プロトコールを、治験を主導する予定の株式会社CICSと共同で検討、作成している。現在、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談しており、平成30年中盤にはプロトコールを完成させ、平成30年度中に治験を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当センターに設置されたBNCT用中性子照射装置は世界初の装置であり、安定した中性子の出力と、装置から出力される中性子に対する物理データおよび生物データの取得は、将来行われる臨床試験における線量評価の基準になるきわめて重要なステップである。上述の通り、中性子の安定的出力確保が当初より遅れたため、動物実験の開始と治験プロトコールの検討もやや遅れて開始せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には、BNCT用中性子照射装置から得られた物理データ、生物データに基づいて、BNCTの至適な治療適格条件と治療実施条件を決定し、PMDAと相談しながら治験プロトコールを完成させて治験を開始する予定である。また、PMDAとの相談結果に基づいて、治験開始に必要となる物理データおよび生物データも追加して取得する。 昨年度までの検討により、他の有効な治療法がないと診断された悪性黒色腫もしくは血管肉腫の患者がBNCTの臨床試験に最も適した対象であると判断しており、平成30年度には、これらのデータ・検討結果に基づいて治験開始に向けて準備を進めてゆく予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度中の未使用額は本研究を誠実に遂行した結果生じたものである。研究計画がやや遅れていることにも一部起因しているが、平成30年度に繰り越した金額は比較的少額である。平成30年度に使用することによって、研究の遅れを取り戻すと共に本年度予定されている計画通りに研究が進展することが見込まれる。
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[Journal Article] Long-term Results of External Beam Radiotherapy for Prostate Cancer with Prostate-specific Antigen of More Than 50 ng/ml and Without Evidence of Lymph Node or Distant Metastasis2018
Author(s)
Umezawa R, Inaba K, Nakamura S, Wakita A, Okamoto H, Shima S, Tsuchida K, Kashihara T, Kobayashi K, Harada K, Takahashi K, Murakami N, Ito Y, Igaki H, Jingu K, Itami J.
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Journal Title
Anticancer Research
Volume: 38
Pages: 2303-2309
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluation of radioactivity in the bodies of mice induced by neutron exposure from an epi-thermal neutron source of an accelerator-based boron neutron capture therapy system.2017
Author(s)
Nakamura S, Imamichi S, Masumoto K, Ito M, Wakita A, Okamoto H, Nishioka S, Iijima K, Kobayashi K, Abe Y, Igaki H, Kurita K, Nishio T, Masutani M, Itami J.
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Journal Title
Proceedings of the Japan Academy. Series A, Mathematical sciences
Volume: 93
Pages: 821~831
DOI
Peer Reviewed
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