2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10472
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
合川 公康 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20438823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 光男 帝京大学, 医学部, 教授 (20200165)
佐藤 弘 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30766506)
渡邉 幸博 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70747584)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 消化器外科学 / 創傷治癒 / 代謝栄養学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大動物(ブタ)を用いてオルニチン投与が消化管吻合部の創傷治癒にどのような影響があるかを検討した。雑種ブタ(n=6)を全身麻酔下に開腹、小腸を離断し吻合するモデルを作製した。吻合は1個体につき4カ所、空腸を切離し、吻合した(ラピッドバイクリルによる漿膜筋層のみの連続吻合を行った。吻合ピッチは2mm)。このモデルを、通常食に加えてオルニチンを投与する群(OR群;n=3),通常食のみの群(N群;n=3)の2群に割り当てた。手術7日後、ブタを再開腹し、吻合部を摘出し吻合部の検討をおこなった。検討項目は①肉眼的所見、②引っ張り試験、③耐圧試験、④吻合部コラーゲン沈着量である。コラーゲン沈着量は、膠原線維部を画像処理で抽出時のpixelで定量化した。両群ともに、術後の体重減少、手術関連合併症は認められず、吻合部の肉眼所見に差は認められなかった。吻合部におけるコラーゲン沈着量は、OR群147886(44688-241112)であったのに対し、N群では44107(18892-78566)であった(p=0.0001)。吻合部の圧力強度では、OR群が41.25(32.5-55.5)mmHgであったのに対し、N群では20.5(16.5-42.5)mmHgであった(p=0.031)。引張強度に関して有意差は認めなかった。 消化管吻合術後におけるオルニチン投与は吻合部のコラーゲン合成を促進し、吻合部の強度を高めることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験室の工事などで動物実験が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの実験結果は予想にほぼ合致しているので、実験個体を増やして統計的な有意差が検討できる数、あと6頭を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験室のトラブル(耐震工事、水回り工事)なので、実験遂行が滞ってしまった。現在は徐々に実験が可能となっており、延長した本年度に予定の実験(手術)を終了する予定である。
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