2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and control of the microemviroment of pancreatic cancer
Project/Area Number |
16K10600
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
真鍋 達也 佐賀大学, 医学部, 准教授 (60546464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 義浩 九州大学, 大学病院, 助教 (40507795) [Withdrawn]
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859) [Withdrawn]
江口 大樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90726390)
池永 直樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90759755) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵癌 / オルガノイド / 膵星細胞 / 微小浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌におけるCD110 発現とその臨床的意義をヒト膵癌細胞株及びマウス脾注モデルを用いて検討したところ、CD110 は親株と比較して高肝転移株で高発現しており、CD110 発現の抑制によって膵癌細胞の遊走・浸潤能が有意に低下し、細胞増殖に与えるTPO の促進作用も抑制された。免疫組織化学染色で、CD110 は正常膵組織の膵管上皮には発現せず、膵癌原発巣と肝転移巣で発現していた。膵癌切除症例において、CD110 発現陽性群は陰性群よりも全生存期間と無病生存期間ともに有意に短く、肝転移との相関性が認められ、CD110 発現陽性群がより早く肝転移巣を形成して、肝転移の独立予測因子であることが判明した。 膵癌オルガノイドは、極性をもつ管状構造を呈し、ラミニンα 5、コラーゲンⅣで染色される基底膜構造を有していた。コラーゲンゲル内で、膵癌オルガノイドを単培養群および膵星細胞との共培養群で浸潤様式を比較したところ、共培養群では極性を失い、ゲル内へ浸潤するオルガノイド数が有意に増加し、その浸潤面積も増大した。リアルタイムイメージングで基底膜破壊の前には膵星細胞の膵オルガノイドへの直接的なコンタクトがみられた。基底膜破壊に関与する因子のmRNA を測定したところ、ヒト膵癌細胞ではMMP2、MMP9、MT1-MMP は低発現でTIMP2のみ高発現であり、膵星細胞の分泌するMMP2 により促進されると考えられた。MMP2, MTIMMPをノックダウンしたPSCは,ゲル内への浸潤オルガノイド数を減少させ,マウス同所移植でも,基底膜破壊,間質浸潤を抑制した.膵癌オルガノイドの分泌するTIMP2 が、膵星細胞の細胞表面でのMMP2 を活性化し、直接的なコンタクトにより基底膜破壊を促進している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)