2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigate and control of new lymph node metastasis mechanism CCID formation in pancreatic cancer
Project/Area Number |
16K10602
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安井 隆晴 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60611283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寅田 信博 九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (00398075)
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵癌 / リンパ節転移 / CCID formation / Collective invasion |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌において、リンパ節転移は予後不良因子である。リンパ行転移機構として、最近Circular chemorepellent-induced defects (CCID) formation という新しい研究手法が行われている。これは、リンパ管内皮をmonolayer に培養した後、Spheroid を形成した癌細胞集団を共培養するもので癌細胞集団がリンパ管内皮を押しのけるように浸潤していく現象である。CCIDのメカニズムを解明することはリンパ節転移のメカニズムを真に理解する上で大きな進歩になると考えたため、この現象に着目して研究を開始した。これまでの検討で、ヒト膵癌細胞株・膵癌自然発生マウス由来癌細胞株を用いてCCID形成を試み、2D・3D model両方においてCCID formationをとることを顕微鏡画像により明らかにした。それぞれの細胞株によりこの浸潤形態の形成能に差を認め、癌培養上清添加で形成能が上昇することを明らかにした。 当該年度においては、癌培養上清添加によってリンパ管内皮細胞にどのような遺伝子変化が起こっているか検討するために上清添加したリンパ管内皮細胞からmRNAを抽出しマイクロアレイ解析を用い、複数の癌上清において共通する遺伝子変化を133種類ほど見出した。その中からS100Pに着目して検討をしていった。膵癌細胞や膵星細胞から分泌されることが知られているIL-6添加で、リンパ管内皮でのS100Pは発現が上昇し、リンパ管内皮細胞の遊走能・CCID形成能が上昇した。また、細胞内S100P以外の作用として、細胞外S100Pによりリンパ管内皮細胞の遊走能・CCID形成能が上昇し、その上昇は細胞外S100Pの受容体であるRAGEアンタゴニストで抑制された。以上により、S100P/IL-6シグナルによって、CCIDが制御されている可能性が示唆された。
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