2016 Fiscal Year Research-status Report
スタンフォードB型解離の大動脈径拡大のメカニズムの解析と予測方法の開発
Project/Area Number |
16K10648
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉岡 一朗 東北大学, 大学病院, 助教 (90770272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
熊谷 紀一郎 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80396564)
藤原 英記 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20747117)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究を始めるにあたって解析の対象とする症例を絞り込むことができれば効率が良いと考え、B型大動脈解離の治療成績を再評価することとした。解析の対象とする症例を検討するために、まず過去10年程度の症例を研究室内のデータベースより抽出して経過および治療成績について詳細に検討した。この結果については第69回日本胸部外科学会にて発表を行った。当施設で治療を行った症例は9年間で約40例であった。問題となる大動脈径の拡大が認められた症例は全体の約20%あったが、CTで乖離の形態を分離してみたところで現状の形態解析だけではやはりその拡大を予測することが難しいことが再確認された。 そこで計画の通り、まず大動脈径の拡大した症例と拡大のなかった症例を数例ずつ選択してそのシミュレーションを行うこととした。造影CTの画像はDICOM形式で保存し、パーソナルコンピューター上にて3次元構築ソフトをOSIRIX64bit用いて軸方向のCT画像の中の大動脈内腔を真腔、偽腔別々に2次元的にトレースし、3次元のSTLデータとして保存した。初期流速条件については、患者の位相コントラスト核磁気共鳴法(phase-contrast MR imaging,pcMRI)より求めることとしているが、まだ解析に必要なデータを得るためには撮像条件の調節が必要なことがわかり調整中である。 STLデータを有限要素解析ソフトANSYS Fluent上で再構築を行ない初期流速条件などを組込み壁せん断応力の解析を行う予定であるが、まだシミュレーションに必要な条件を整えている段階であり、まだ解析には至っていないのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大動脈解離症例の2次元データからの3次元化の段階で、大動脈からの分枝や真腔と偽腔との交通などによりデータの補正や条件を整えないとシミュレーションモデルの作成が難しいことが判明し、現在その調整を行なっている。MRIからの初期流速条件についてもその代入には条件の調整が必要でありまだモデルの作成までもう少し時間を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
そのため当初予定していた解析にまで至っていないが、概ねモデルは完成に近づいており今年度には多数例で解析が可能となる。解析対象となる症例は十分にあるため、モデルが完成されれば目的とする大動脈径拡大に関与する形態の解析が可能になると見込んでいる。モデルの作成ができた時点で学会発表及び論文の投稿を行い、さらに解析を進めて大動脈径拡大のメカニズムの解明について学会発表する予定である。
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Causes of Carryover |
論文掲載用の費用を計上していたが未だ論文の作成までに至っていないため繰越金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の論文作成に使用する予定である。
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