2017 Fiscal Year Research-status Report
スタンフォードB型解離の大動脈径拡大のメカニズムの解析と予測方法の開発
Project/Area Number |
16K10648
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉岡 一朗 東北大学, 大学病院, 助教 (90770272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
熊谷 紀一郎 東北大学, 医学系研究科, 講師 (80396564)
藤原 英記 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20747117)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20400418)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / 有限要素解析 / FSI |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に引き続きシミュレーションモデルの作成方法の確立を目指して試行錯誤した。造影CTの画像はDICOM形式で保存し、パーソナルコンピューター上にて3次元構築ソフトとしてOSIRIX64bit用いて3次元のSTLデータとして保存した。これを有限要素解析ソフトANSYS Fluent上で、3次元モデルの構築を行った。 モデルの構築には各種のパラメーラの設定が必要で、これについても検討を行っている。大きな問題として、大動脈解離を扱っているため、真腔と偽腔では本来壁構造が違うため、一様の壁の暑さと強度では実際とは異なること。また本来は血管壁も動的であり、特にintimal flapは大きく拍動で動くことがわかっている。前者については、パラメータの設定が可能となりそうであるが、後者については現状では難しいと判断している。 また、流体解析には初期流速条件が必要であるが、患者の位相コントラスト核磁気共鳴法(phase-contrast MR imaging,pcMRI)より求めることとし、外来患者の定期検査からそのデータを用いることとしていた。当初は流速の計測を、大動脈解離のない上行大動脈および下行大動脈の真腔と偽腔で計測を行っていたが、これもシミュレーションの精度を上げるために、流れの出口側にあたる頸部分枝の流速を求めることでその精度が上がることがわかり、検査の条件を2017年10月より変更した。月1例から2例のペースでしか検査が組めず、目標は10から20例を予定しているため、まだデータの集積中である。 現状としてはまだ十分な解析には至っていないが、今年度にはデータの集積もでき、解析も進むものと予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
流体解析には初期流速条件が必要であるが、患者の位相コントラスト核磁気共鳴法(phase-contrast MR imaging,pcMRI)より求めることとし、外来患者の定期検査からそのデータを用いることとしていた。当初は流速の計測を、大動脈解離のない上行大動脈および下行大動脈の真腔と偽腔で計測を行っていたが、シミュレーションの精度を上げるために、流れの出口側にあたる頸部分枝の流速を求めることでその精度が上がることがわかり、検査の条件を2017年10月より変更した。月1例から2例のペースでしか検査が組めず、目標は10から20例を予定しているため、まだデータの集積中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り当初予定していた解析にまで至っていないが、概ねモデルは完成に近づいており今年度には多数例で解析が可能となる。解析対象となる症例を十分に吟味し、比較検討を行うことで目的とする大動脈径拡大に関与する形態の解析が可能になると見込んでいる。解析方法が定まった時点で学会発表及び論文の投稿を行い、さらに解析を進めて大動脈径拡大のメカニズムの解明について学会発表する予定である。
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Causes of Carryover |
論文掲載用の費用を計上していたが未だ論文の作成までに至っていないため繰越金が発生した。次年度使用額は平成30年度の経費と併せて論文作成に要するその他費用等として支出する。
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