2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K10671
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 幸夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10312844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 秀夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90751131)
後藤 行延 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20451700)
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, バイオポリマーグループ グループリーダー (70354264)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 手術用接着剤 / 肺瘻 / 非血液製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
物質・材料研究機構で開発された魚ゼラチンとポリエチレングリコールを用いた新規開発接着剤を用いて実験を進めている。 ・新規開発接着剤のゼラチンの濃度およびPh、ポリエチレングリコールの分子量を調整し、接着剤の硬化時間おより接着力の強化等の最適化を行った。また、製品化に向けてガンマ線および電子線滅菌を条件を変えて行い、滅菌と接着力の保持が両立することを確認した。まず、ブタ胸膜に対する耐圧強度を ASTM-F2392-04(Standard Test Method for Burst Strength of Surgical Sealants)に従って評価した。開発品は40cmH2O超の高い耐圧強度を示した。次に、豚摘出肺にて胸膜欠損部の耐圧強度を測定し、現在臨床にて用いられているフィブリン系接着剤と比較した。次に豚摘出肺の胸膜に直径 10mm の胸膜欠損を作製し、開発品の接着剤を噴 霧し人工呼吸器に接続し耐圧強度を測定した。胸膜欠損部か接着剤にて均一に被覆され、開発品は高い接着強度に加え膨張する肺表面への追従性か高く、 少量の空気漏れが発生する leak pressure、接着剤か剥がれてしまう Burst pressure 共に有意に高い耐圧能力を示した。また膨張・収縮する肺胸膜表面に良好な追従性を示した。 また全身麻酔下に片肺換気し、人間の手術中をモデルとした、豚を用いた急性期試験も施行し、摘出肺と同様の耐圧強度を示すことが確認できている。 ゼラチンとポリエチレングリコールの2剤を術野にて均一に噴霧するデバイスが必要であり、細部の改良を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼラチンとポリエチレングリコールの2剤を術野にて均一に噴霧するデバイスを開発中であり、接着できる段階にきている。しかし、噴霧する霧の粒子が一定しない、2剤が同心円状に噴霧されない等の問題があり、細部の改良を重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記噴霧デバイスの改善と慢性実験による体内での反応性および炎症・癒着等の評価を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
研究及び実験はほぼ順調に進んでおり、少し剰余金が生じただけである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度最初から実験を行うため、そのための試薬を購入予定である。
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