2017 Fiscal Year Research-status Report
頚動脈プラーク破綻におけるエピジェネテイクス変化の解明
Project/Area Number |
16K10726
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐山 徹郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30346788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
空閑 太亮 九州大学, 大学病院, 助教 (40759932)
迎 伸孝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60532843)
橋口 公章 九州大学, 大学病院, 助教 (80448422)
飯原 弘二 九州大学, 医学研究院, 教授 (90270727)
森 恩 九州大学, 大学病院, その他 (90448415)
西村 中 九州大学, 大学病院, その他 (90452755)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 頸動脈プラーク / プラーク破綻 |
Outline of Annual Research Achievements |
頚動脈プラーク破綻におけるエピジェネテイクス変化の解明というテーマの中で、その多様なエピジェネテイクス変化の中で、まずはmiRNA変化に焦点を絞り患者プラークの解析、プラーク破綻マウスモデルの作成、解析、エクソソーム研究のための共培養モデルの確立、解析という3つの柱の元、研究を開始した。 頚動脈狭窄症患者10例に対する内膜剥離術後の頚動脈プラーク摘出サンプルを用いて、miRNAを含めたtotal RNAを抽出し、患者背景や放射線学的所見との関連を解析した。患者背景は、症候性が5例、進行性が3例、放射線照射後が2例であった。また放射線学的所見として、MPRAGE法にて胸鎖乳突筋比が2倍以上の不安定プラークが8例であった。動脈硬化病変で上昇することが報告されているmiRNA145の発現が有意差は認めないものの、症候性症例において上昇していた。摘出サンプルの中でもプラーク自体よりも内膜によりmiRNA145の発現が上昇していた。画像上のプラーク破綻とmiRNA145との相関は認めなかった。この結果より脳梗塞発症のリスクの高い症候性病変の特に内膜側にmiRNA145の上昇が見られることが明らかとなった。 内皮細胞-平滑筋細胞-単核細胞の共培養モデルの解析を行うための全実験として、頚動脈狭窄におけるshare stress負荷を想定した、機械的血流負荷装置を用いて培養内皮細胞、平滑筋細胞に対するshare stress負荷時のmRNA発現変化を解析した。培養細胞に乱流負荷を行なったところ、内皮細胞においては、血管壁の炎症に関連することが報告されているMCP-1やNox4の発現上昇を認めた。また平滑筋細胞においてもNox4の発現上昇を認め、炎症系の分子が上昇していることが確認された。miRNAにおいてもこれらの炎症系に作用するものが上昇していることが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頚動脈術後サンプルは順調に症例を蓄積しており、miRNAの解析を進めている。マウスの頚動脈プラーク破綻モデルは現在モデル作成中であるが、プラーク破綻の確認ができておらず、手術手技の安定を図っている。 共培養モデルに関しても、内皮細胞と平滑筋細胞の生着がができておらず、培養環境を工夫しながらモデルの確立を図っている。本年度は共培養モデル確立時に解析を行う頚動脈狭窄の疾患モデルとして機械的血流負荷装置を用いたshare stress負荷モデルを確立した。これにより頚動脈狭窄に近い培養系モデルにおけるmiRNAの変化を解析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト頚動脈狭窄症におけるmiRNAの変化を、症例をさらに蓄積し、解析を進めていく。未だ確立していないマウス頚動脈狭窄モデルおよび内皮細胞-平滑筋細胞-単核細胞の共培養モデルについてH30年度には手法を改善し、確立する予定である。これらを用いてmiRNA発現のさらなる解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
実験物品費を補填する。
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