2017 Fiscal Year Research-status Report
ステント留置後血管に対する骨髄幹細胞移植による内膜新生メカニズムの解析
Project/Area Number |
16K10731
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 克也 京都大学, 医学研究科, 助教 (60749498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136) [Withdrawn]
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30372816)
飯星 智史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60457710)
三國 信啓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60314217)
中崎 公仁 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70722461)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の脳血管内治療の進歩に伴い、急性期の再開通療法の再開通率は80-90%にまで上昇している(ISC2015)。さらに、protection deviceによる遠位塞栓の予防法を併用した頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)の短期および長期治療効果および安全性の証明を受けて、内頚動脈狭窄症に対するCASの重要性はますます高まっている(脳卒中治療ガイドライン2015)。一方、我々は、今までに脳梗塞などの動物実験モデルに対する骨髄幹細胞の静脈からの全身投与が治療効果を有することを報告してきた。 脳梗塞の新しい治療法として骨髄幹細胞(MSC)移植が注目されている。これまでの基礎研究の知見より、骨髄間葉系幹細胞移植による治療メカニズムは、①サイトカインによる神経栄養作用、②血管新生、③脱髄軸索の再有髄化、④神経再生による脳の可塑性の調節、と多段階に進むことが判明している。 本研究では、移植した骨髄幹細胞が留置ステントの内膜形成に及ぼす影響を解明することを目的としている。本年度は、本研究費によって、動物内膜損傷モデルを作成し、損傷部にステント留置を実施した。全身麻酔下に全身の動脈に対して、内膜損傷を作成し、内膜損傷モデルとした。ステント留置を行い、観察期間終了後に組織学的解析、画像診断学的手法によるデータを収集してきた。 以上のように、補助金は補助条件に従って、有用に使用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、本研究費によって、動物内膜損傷モデルを作成してきた。全身麻酔下に全身の動脈に対して、内膜損傷を作成し、内膜損傷モデルとした。内膜損傷部にステント留置を行い、観察期間終了後に、組織学的解析、画像診断学的手法によるデータを収集しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究費によって、安定したモデル作成が可能となったため、実験動物に対して、全身麻酔下に動脈に対して、内膜損傷を起こし、内膜損傷モデルを作成したのちに、ステント留置を行い、骨髄間葉系幹細胞を経静脈的に投与する。観察期間終了後に組織学的解析、画像診断学的等の手法により、損傷内膜の形成の過程を詳細に解析する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画に従い、予定通り研究は進行して、良好な結果を得ている。ただし、当初の予定に比べて、安価な物品、試薬、キットなどの消耗品を使用することが可能であったことから、予定よりも残額が生じた。
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