2017 Fiscal Year Research-status Report
GSK3βを分子標的とする神経膠芽腫治療の基礎基盤の確立
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16K10751
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮下 勝吉 金沢大学, 医学系, 助教 (80624874)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | GSK3β / glioblastoma |
Outline of Annual Research Achievements |
膠芽腫は最も予後の悪い疾患の一つであり、様々な治療を行っても未だに予後不良な腫瘍である。我々はこれまでにglycogen synthase kinase 3β(GSK3β)がグリオーマの悪性基質促進因子であること、GKS3βを抑制することで腫瘍細胞の増殖・浸潤が抑制されることを報告した。また、この知見を元にGSK3β阻害作用を有する既存の4種薬剤を用いた第1/Ⅱ相臨床試験を行い、その有効性と安全性を確認したが、これらの成果を2017年に論文報告(Furuta, et al.Oncotarget. 2017 4;8(14))している。この結果は脳腫瘍関連の全国学会でも報告を行っている。 膠芽腫の治療成績向上のため、新規薬剤の登場が待たれるところであるが、薬剤開発には様々なプロセスと多大な資金を必要とするため、既存する市販薬剤を適応外の疾患に応用するdrug repositioningが注目されている。我々が行った臨床試験は、GSK3β阻害作用を有する既存薬剤を膠芽腫治療に応用したdrug repositioningの1つであり、基礎研究から得られた知見を直接的に実臨床に反映させることが可能であった。また、その有効性・安全性を証明、さらには論文として世界に発信することができた。 今後は、実臨床での導入をさらに進めるため、最も有効な薬剤の組み合わせを探り、それによって併用薬剤数を減らし、より患者への負担を軽くすることを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床に費やす時間が長くなるため、研究の時間を確保することが難しい。その中で空き時間を見つけて行っているのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは既存薬剤4剤を併用した治療であったが、一定の結果が出たため、今後はその中の2剤に絞った組み合わせの検証を引き続き行っていく方針である。
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