2017 Fiscal Year Research-status Report
数値流体解析の個別化による血管内治療後の脳動脈瘤再発の術前予測
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16K10783
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
見崎 孝一 金沢大学, 大学病院, 助教 (20507082)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数値流体力学的解析 / 脳動脈瘤 / 血管内手術 / コイル塞栓術 / 再発 / 圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数値流体力学的解析結果を脳動脈瘤に応用することで、血管内手術後の脳動脈瘤の再発の予測因子を探索することである。本研究では金沢大学脳神経外科で血管内手術を行った脳動脈瘤のうち、数値流体力学的解析が可能な内頚動脈瘤を解析した。当初の目標が100例であったところ平成28年度は50例以上の症例で解析が可能であった。これらの数値流体解析から得られたデータと、動脈瘤因子(部位、最大径、ネック径)、コイルに関するデータ(コイル体積塞栓率、コイル形状と硬さ)、再発のデータ(再発の時期、部位、程度)を調べて再発の関連因子を統計学的に解析した。その結果、平成29年度は血管内手術によってコイルで塞栓された部位の圧力が高まることが危険因子であることを明らかにして英語論文にした。術前の治療戦略や手術適応決定において、本所見は重要な役割を果たす可能性がある。本研究結果は国内学会で発表し、今後国際学会で発表する予定である。しかしこの知見から治療前に再発を予測して治療に応用するためにはさらに精度を高める必要がある。従来の数値流体力学的解析の欠点は全ての患者に対して同じ条件で行うため、本来異なる個人差に基づいて解析していない点にある。平成30年度からは解析を患者個人の条件で行うことにより、解析を個別化することで精度が高まると考える。本研究によって個別化した数値流体力学的解析によって脳動脈瘤再発の因子を明らかにし、より精度の高い治療前の再発予想を実現化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳動脈瘤の再発予測について圧力上昇が強い因子であることを発見し英語論文にした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は解析を個別化することで予測因子である圧力上昇の精度が高まるかを検討していく。
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Causes of Carryover |
年間ライセンス契約の流体計算ソフトウェアが予定よりも安価で使用できた。その分の購入費用が生じなかったため基金分に次年度使用額が生じた。残額は来年度分のライセンス費に当てる。
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