2017 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞活性化能を有する生体内分解性骨片接合材の開発
Project/Area Number |
16K10844
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮武 尚央 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (60623155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 堅太郎 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (10747554)
穴田 貴久 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (30398466)
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
今泉 秀樹 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70250785)
井樋 栄二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80193465)
塩飽 由香利 東北大学, 歯学研究科, 助教 (80736190)
保坂 正美 東北大学, 医学系研究科, 講師 (90302124)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム / 骨接合材 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイドロキシアパタイト(HA)やβ‐リン酸三カルシウム(β-TCP)は、ポリL乳酸(PLLA)や乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)と複合化することによって、骨接合材として用いられている。本研究では、HAやβ-TCPより吸収骨置換性に優れ、HA 前駆体であるリン酸オクタカルシウム(OCP)とPLGAの複合体の作製に取り組んだ。さらに、この複合体が吸収骨置換型の骨接合材となり得るかについて検討した。 実際に臨床応用されているHA/PLLA複合体ピン(3㎜径)は、ラット大腿骨の骨孔型骨欠損部への埋入実験において、骨孔に固着し、骨親和性が良いことが明らかとなった。しかしながら、μCTによる検討では、ラット大腿骨の骨孔型骨欠損部への埋入48週において、生体内における吸収、及び骨置換は進んでいなかった。依然大部分のHA/PLLA複合体が残存し、吸収骨置換には相当の期間を要すると考えられた。 OCP/PLGA複合体は、吸収性、骨置換性を検討するために溶融成型で作製した。ラット大腿骨の骨孔型骨欠損部への埋入実験において、溶融成型OCP/PLGA複合体は、骨孔埋入48週で完全に吸収、骨置換され、その優位性が示された。ただし、溶融成型で作製したOCP/PLGA複合体は、初期強度はあるものの、骨接合材としての強度を維持している期間が十分ではないことが明らかとなった。そこで、新たに射出成型でのOCP/PLGA複合体作製に取り組んだ。また、射出成型OCP/PLGA複合体の強度を高める検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶融成型OCP/PLGAの複合体、及び臨床応用されているHA/PLLA複合体ピン(3㎜径)をラット大腿骨の骨孔型骨欠損部への埋入し、骨親和性や生体内吸収性、骨置換性を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
溶融成型で作製したOCP/PLGA複合体は、骨接合材としての強度が十分ではなかったため、今後は射出成型OCP/PLGA複合体作製を重点的に行い、材料としての最適化を検討する。さらにラット大腿骨における骨孔型骨欠損部への埋入実験を行い、吸収骨置換性の評価を行う予定である。また、材料の吸収が骨の形成に及ぼす影響を解析する。
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Causes of Carryover |
新規骨接合材の開発と力学的強度の解析に時間を要したため、動物実験に関する備品・消耗品の購入が予想していたよりも少なかった。 次年度は、OCP/PLGA複合体を新規の方法で作製の上、動物実験を進める。このため複合体作製に必要な物品購入、実験動物購入、及び解析に使用する。
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Research Products
(3 results)