2017 Fiscal Year Research-status Report
骨髄間葉系幹細胞と多血小板血漿を用いた新しい低侵襲半月板修復促進法の開発
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16K10845
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉岡 友和 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80649822)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多血小板血漿 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は日本白色家兎の内側半月板前節に縦断裂を作製し、その自然治癒過程と縫合群、多血小板血漿治療群で修復過程を組織学的に比較した。 家兎の半月板が同様の解剖学的構造かどうかを評価するために、大腿動脈よりブルーインクを注入灌流し家兎半月板の血行分布を評価したところ、内側2/3が無血流野であることを確認した。 骨格的に成熟した12-16週で2.8-3.5kgの家兎を用いて内側半月板の内側2/3に3mm縦断裂を作成した。右膝は断裂のみ作成し、左膝は縫合群と縫合+多血小板血漿群に分けた。縫合は、inside-out法でnyron糸1針の垂直縫合とした。多血小板血漿はCaCl2で活性化してmembraneの状態にしてnyron糸に通して断裂直上に設置した。8、12週で屠殺し、マクロと組織で評価を行った。途中経過であるが、縫合群は8週2匹、12週1匹、縫合+多血小板血漿群は8週5匹、12週7匹まで行った。マクロ評価は、modified Miguel’s scoring systemを用い、縫合群は3点が1匹、0点が2匹、縫合+多血小板血漿群は3点が2匹、0点が10匹であった。組織評価をIshidaらによるscoring systemで行ったが、断裂部に細胞は充填されておらず、縫合群3匹、縫合+多血小板血漿群12匹ともに0点であった。 家兎半月板の先行研究では、血流のない内側半月板前節に縦断裂を作製した場合、自然経過及び縫合術を行っても治癒しないと報告されている。本研究では、家兎半月板縦断裂モデルに縫合ののち多血小板血漿を使用しても治癒促進効果は得られていない傾向にあった。この要因としては、多血小板血漿をmembraneの状態で使用していることにより成長因子が十分含まれていない可能性がある。多血小板血漿を活性化したのちclot化した状態で半月板断裂に使用できるようなモデルを再考中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 内側半月板前節の内側2/3に縦断裂を作製するモデルを設定した。 2. 縫合群と縫合+多血小板血漿群を行い、組織学的に検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は予定した数まで評価を進め、統計学的に評価を行う。また、多血小板血漿によって得られると予想した結果外であった場合は、年度前半期までに損傷モデルの再考を行う。多血小板血漿をclot化すること、縦断裂の損傷部位を関節包側にすること、パンチ欠損モデルを検討している。
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Causes of Carryover |
理由 半月板損傷モデルを作製するにあたって家兎の購入を見込んでいたが、予定の羽数に達しなかったため。また、発表に至るまでの結果が集積できなかったため旅費は計上されなかった。
使用計画 本年度中に日本白色家兎を購入し、実験を進める。
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