2016 Fiscal Year Research-status Report
骨軟部肉腫の新規起源細胞、ペリサイトの悪性化機構の解明と肉腫治療薬開発への応用
Project/Area Number |
16K10847
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 信吾 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40462220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 広樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30582283)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ペリサイト / 骨軟部腫瘍 / 腫瘍起源細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 生体におけるペリサイトの可視化:NG2発現細胞でCreリコンビナーゼ遺伝子を発現するNG2-CreマウスとtdTomatoレポーターマウスを交配させ、ペリサイトもしくはペリサイト由来細胞特異的にtdTomatoを発現させたマウス(NG2-Cre; Rosa-tdTomatoマウス)を作成した。このペリサイト可視化マウスから各組織を採取して凍結切片を作成し、各組織におけるtdTomato陽性細胞の分布を検討し、目的とする細胞が標識されていることを確認した。
2) マウス肉腫形成におけるペリサイトから発生した肉腫細胞の意義の解明:p53欠損マウスは様々な肉腫を形成することから、1)で作成したペリサイト可視化マウスとp53欠損マウスを交配させることで、ペリサイト可視化マウスに肉腫形成を誘導した。形成された肉腫における蛍光タンパク質の発現を組織学的に検討したところ、腫瘍を構成する細胞の大半が蛍光タンパク質を発現しており、ペリサイトが肉腫の起源である可能性が示唆された。
3) 種々のペリサイト特異的発癌変異誘導マウスの作成と肉腫形成の検証:ペリサイト特異的に癌抑制遺伝子(p53、Rb1)を欠損させたマウス(NG2-Cre; p53flox/floxマウスもしくはNG2-Cre; pRbflox/floxマウス)を作成した。すでに一部のマウスで腫瘍の発症が認められ、現在、腫瘍の種類や局在、遺伝子発現などを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りおおむね順調に研究は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1) p53欠損マウスもしくはペリサイト特異的発癌変異誘導マウスに形成された腫瘍の解析については、平成29年度以降も継続して実施する。
2) In vitroでのペリサイト悪性化の検証:不死化したペリサイト細胞株への癌原遺伝子の導入、もしくはCRISPR/Cas9ゲノム編集システムによる癌抑制遺伝子の不活化により、ペリサイトの悪性化をin vitroでも検証する。発癌変異を誘導したペリサイトの形態、分化能、増殖能を検討するとともに、この細胞を免疫不全マウスの皮下に移植し、肉腫形成能も検討する。
3) ペリサイトの悪性化に伴う遺伝子発現プロファイルの変化の検討:悪性化前後のペリサイトの遺伝子発現プロファイルを、網羅的トランスクリプトーム解析にて比較検討する。この解析から得られたデータに基づいて、付加的な遺伝子変異を予測するとともに、悪性化に伴い活性化されるシグナル伝達経路を同定する。
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[Journal Article] Mesenchymal Tumors Can Derive from Ng2/Cspg4-Expressing Pericytes with β-Catenin Modulating the Neoplastic Phenotype2016
Author(s)
Sato S, Tang YJ, Wei Q, Hirata M, Weng A, Han I, Okawa A, Takeda S, Whetstone H, Nadesan P,Kirsch DG, Wunder JS, Alman BA
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Journal Title
Cell Rep.
Volume: 16(4)
Pages: 917-927
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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