2017 Fiscal Year Research-status Report
生体骨を模した新しい複層型人工骨の開発とdrug delivery
Project/Area Number |
16K10848
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉井 俊貴 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50583754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20401391)
大川 淳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30251507)
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (90451971)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨再生 / 人工骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体骨を模した新しい複層型人工骨の開発とdrug delivery
当研究室が開発した多孔質ハイドロキシアパタイト/コラーゲン複合体(HAp/Col)は骨再生の足場材料として有用であるが、スポンジ状で強度が弱いため荷重部での単独使用は困難である。一方で、低気孔率のハイドロキシアパタイ ト(HAp)は、材料内部に骨再生が十分に期待できない反面、力学的強度に優れる。応募者は中空の低気孔率HApの内部に多孔質HAp/Col を配置することで、生体骨の構造(強度の強い皮質骨の内部に、網目状の海綿骨を有する)を模した新しい移植材料 ‘複層型HAp’を考案した。本研究ではこの複層型HAp人工骨の骨組織再生における有用性、薬剤担体としての可能性を検討し、早期に臨床で使 用できる新しいタイプの人工骨補填材料の開発を目指す。 In vitro 力学テスト:気孔率15%、30%、40%のHApの力学的特性を検討した。それぞれの気孔率のHApを中空率0%、30%、60% とふりわけ、圧縮強度試験を行い、中空率と圧縮強度は負の相関を示すことが確認された。また気孔率と圧縮強度も負の相関を示すこ とが明らかとなった。30%の-60%程度の中空率でも荷重部での使用が十分可能であることが確認された。またIn vitroでBMP2のHAp/ Colへの含浸、徐放の試験を行い、HAp/Colの吸着力が十分であることを確認し、またBMP2は2週間で20%程度徐放される(In vitro) ことがわかった。 またラット大腿骨の骨欠損モデルを使用した骨再生実験に関して予備実験を行ったところ骨欠損部の安定性に問題を残し、予想した骨修復が なかなか認められなかったため、日本白色家兎の脛骨(Segmental)骨欠損モデルを作成し予備実験を行ったところ、一定の安定性が得られ、骨形成モデルとして有用であることを確認した。現在、移植実験を継続して行っているところで ある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のようにラット大腿骨の骨欠損モデルを使用した骨再生実験に関して予備実験を行ったところ、安定性がなかなか得られす、予想した骨 修復がなかなか認められなかった。 一方で以前に使用した経験のある日本白色家兎の脛骨(Segmental)骨欠損モデルを作成し予備実験を行ったところ、一定の 安定性が得られ、中空HApを使用した骨再生モデルとして有用であることを確認したため、In vivoの動物モデルを変更し、検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本白色家兎の脛骨(Segmental)骨欠損モデルにて中空HAp、Hybrid HAp、さらにはBMP2付加Hybrid HApの有用性を検証していく。 このモデルで期待通りの骨修復が得られた場合には、脊椎固定モデルなどより臨床に則したモデルで検討を行っていく。 またBMPだけでなく抗生剤などを使用したモデルでも実験を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
動物実験が予定通りにはできなかったため、少額次年度に繰り越しとさせていただいた。
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