2016 Fiscal Year Research-status Report
Wnt/β-catenin経路を介した分子標的治療の開発と抗腫瘍メカニズムの解明
Project/Area Number |
16K10850
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / GSK-3beta / Wnt / beta |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,未だ十分な分子標的療法が確立されていない骨肉腫あるいはその他の肉腫に対する,Glycogen synthase kinase 3beta(以下GSK3β)を標的とした新規分子標的治薬の作用機序をin vitro,in vivo研究により解明し,同薬剤の早期臨床応用を実現することである.そこでまず,western blotにより骨肉腫細胞における活性型GSK3βの発現を確認した。また,WST-8 assayにて細胞増殖・生存能の評価を、BrdU ELISAにて細胞増殖能の評価を、TUNEL imaging assayにてアポトーシスの評価を行なった。いずれにおいても、骨肉腫細胞において、GSK3β阻害薬投与群で有意に効果を発揮した。すなわち、増殖能は抑えられ、アポトーシスは誘導され、結果生存能が抑えられるという結果を得ることができた。RNA干渉試験でも同様の実験を行なった。その結果、control群に比して、GSK3βをノックダウンさせた細胞において、GSK3βの発現は抑制され、細胞増殖・生存能が抑えられ、アポトーシスは誘導されるといった、阻害剤投与群と同様の結果が得られた。メカニズムについては、阻害剤投与により、βカテニンの分解・リン酸化を抑制させ、核内移行させることを示した。これにより、メカニズムの一つとしてWnt/β-catenin経路が関わっていることが証明された。またin vivoにおいても検討を行い、阻害剤投与群において腫瘍の増大を抑制することを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで,計画していた骨肉腫細胞におけるGSK3β阻害薬の治療効果をin vitroおよびin vivoで確認することができた.またそのメカニズムとして,てWnt/β-catenin経路が関わっていることを明らかとできた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの骨肉腫における実験に準じつつ、軟部肉腫においても同様の検討を現在進めて行っている。これまでに軟部肉腫細胞群において活性型GSK3βの発現を認めることをwestern blotにより証明し、阻害剤投与により、細胞増殖・生存能を抑えることをWST-8 assayで、細胞増殖能を抑えることをEdU assayにて証明することができている。今後、前述した骨肉腫の実験に準じてアポトーシス評価やRNA干渉試験等を進めていく予定である。
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