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2016 Fiscal Year Research-status Report

骨肉腫細胞の微小環境との相互作用における液性因子の意義についての研究

Research Project

Project/Area Number 16K10866
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

糸永 一朗  大分大学, 医学部, 講師 (10295181)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池田 真一  大分大学, 医学部, 助教 (70444883)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords骨肉腫 / 液性因子
Outline of Annual Research Achievements

我々は、骨肉腫細胞がより効率的に微小環境さらには遠隔転移先の状態を好腫瘍性に改変するために、液性因子が中心的に使われているという着想のもと、我々はヒト骨肉腫細胞株MG63とヒト間葉系幹細胞hMSCsおよびヒト臍帯静脈内皮細胞HUVECの共培養モデルを作成した。これらの細胞株を単独培養した場合と共培養した場合のmicroRNAおよびmRNA発現の変化をマイクロアレイ法により網羅的に解析し次のようなデータが得られた。
① MG63において、単独培養と比較してhMSCと共培養した場合に2倍以上・1/2以下の発現異常を示すmicroRNAを2150個、mRNAを7378個、同定した。
② hMSCsにおいて、単独培養と比較してMG63と共培養した場合に2倍以上・1/2以下の発現異常を示すmicroRNAを1881個、mRNAを6903個、同定した。
③ MG63において、単独培養と比較してHUVECと共培養した場合に2倍以上・1/2以下の発現異常を示すmicroRNAを3064個、mRNAを5307個、同定した。
④ HUVECにおいて、単独培養と比較してMG63と共培養した場合に2倍以上・1/2以下の発現異常を示すmicroRNAを836個、mRNAを707個、同定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

すでにいくつかのインターロイキンとケモカインも候補因子としてピックアップしており、予備的実験から骨肉腫細胞は正常細胞を自らのサポート役となるように変化させる因子を放出し、その刺激により周辺細胞から放出される因子を受け取るsignal cross-talkのループを構築している可能性が示唆されている。

Strategy for Future Research Activity

先に示した共培養モデルによるヒト骨肉腫細胞MG63、ヒト間葉系幹細胞hMSCs、ヒト臍帯静脈内皮細胞HUVECにおける遺伝子発現変化の網羅的解析から抽出した液性因子のリコンビナント蛋白質を細胞株に投与し共培養状態が再現できるか、検討する。培養液からELISA法にて、また回収した細胞からウェスタンブロットにてその因子の蛋白発現が上昇するか検索する。この実験により抽出した候補因子の中から求める活性を持った液性因子が同定できる。

Causes of Carryover

共培養モデルによるヒト骨肉腫細胞MG63、ヒト間葉系幹細胞hMSCs、ヒト臍帯静脈内皮細胞HUVECにおける遺伝子発現変化の網羅的解析から抽出した液性因子のリコンビナント蛋白質を細胞株に投与し共培養状態が再現できるか、検討した。未使用額が発生した理由として、腫瘍微小環境内における本質的に重要なサイトカインの同定および生物学的意義の解析が遅れたため購入予定であった特定液性因子のリコンビナント製剤、中和抗体および検出目的の試薬購入を次年度に変更したためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度は共培養モデルで同定した液性因子の発現を制御するmicroRNAの解析を行う。共培養により大きく発現変化しているmicroRNAが数多く存在するが、その中から、結合能があると想定されるmicroRNA配列を解析し同定する。このmicroRNAは共培養することで変化したmicroRNAであるため、このsignal cross-talkにおいてはmicroRNAがより上流に位置していると捉えることができる。同定したmicroRNAのmimicおよびinhibitor oligoを共培養モデルでtransfectionする。その結果、元の液性因子の発現が低下し、中和抗体を投与した場合と同じ変化が得られるか検証する。そのため、未使用額については平成29年度に実施予定となっている上記実験の消耗品として使用する。

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Published: 2018-01-16  

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