2018 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction between human osteosarcoma cells and mesenchymal stem cells via IL-8 signaling in tumor microenvironment.
Project/Area Number |
16K10866
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
糸永 一朗 大分大学, 医学部, 講師 (10295181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 真一 大分大学, 医学部, 助教 (70444883)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / 間葉系幹細胞 / 液性因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨肉腫の増殖や浸潤・転移など悪性形質発現には、腫瘍自身の性質のみならず、周辺微小環境が大きく影響することが知られており、骨肉腫細胞が周辺細胞の性質を変化させ利用していると考えられている。この現象には細胞間の直接接触が重要とされているが、本研究において我々は、細胞接触が不要な液性因子による相互作用が大きな役割を担うという仮説に基づき、その分子機構について解析した。即ち、骨肉腫の悪性形質発現における液性因子を介した微小環境内のsignal cross-talkの意義を解明することに注目した。腫瘍細胞から周辺間葉系細胞への作用に加えて、周辺間葉系細胞から腫瘍細胞への作用も同時に解析可能である。我々はhMSCから放出された因子を受け取った腫瘍細胞がさらなる生態変化もたらすことを網羅的な遺伝子解析で解析しており、それが微小環境で生じる腫瘍進展の分子機構の解明に繋がると考えた。我々はhMSCから放出された因子を受け取った腫瘍細胞がさらなる生態変化もたらすことを網羅的な遺伝子解析で解析しており、それが微小環境で生じる腫瘍進展の分子機構の解明に繋がると考えた。腫瘍細胞だけではなく共培養したhMSCやHUVECのmicroRNAとmRNAも網羅的に解析したことで変化する液性因子の発現を網羅的遺伝子解析を用いて同定する。正常細胞が腫瘍側からの液性因子の影響を受け、いかにして腫瘍細胞をサポートする機能に変化するのか、即ち共培養状態で特有に変化する遺伝子と、それを上流からコントロールしているmicroRNAが、このcross-talk機構の中心である可能性が考えられる。本研究で同定した液性因子を抑制することで、骨肉腫の増殖および遠隔転移に対する新規治療モデルを確立し本研究課題の遂行により転移を有する骨肉腫の新たな知見と治療標的の探索に新たな理解が得られると考えた。
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