2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞膜マイクロドメインを介する心筋保護作用に高血糖が及ぼす影響
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16K10940
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堤 保夫 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (90523499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克哉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (30263841)
堤 理恵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (80510172)
酒井 陽子 徳島大学, 病院, 特任准教授 (90711862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 細胞膜マイクロドメイン / イソフルラン / 心筋保護作用 / 高血糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
吸入麻酔薬であるイソフルランには心筋保護効果があることが知られているが、そのメカニズムの全容は明らかではない。申請者はこれまで、この心筋保護作用が細胞膜マイクロドメインを起点に発現していることを明らかにしてきた。また近年、これらの心筋保護作用が、血糖値によって影響されることも明らかになってきた。そこで本研究は、細胞膜マイクロドメインを介するイソフルランの心筋保護作用に高血糖がどのように影響するかマウスモデルを用いて明らかにすることで、心筋保護経路の解明に寄与することを目的とする。 当該年度においては、マウスin vitro遊離心筋細胞を用い、低酸素モデルにて心筋細胞死亡率が吸入麻酔薬による刺激APCにより低下することを明らかにする実験と細胞培養液を高血糖にすることで、心筋細胞の死亡率がどのように影響を受けるかを調べる実験。さらに、高血糖モデルマウスの各群について、細胞膜マイクロドメインを介するメカニズムについて検討した。 その結果、吸入麻酔薬イソフフランを前投与した群では、心筋細胞の死亡率が低下した。また、高血糖にして同様の研究を行うと、APCの心筋保護作用が棄却された。 次に各群のマウスの摘出心に対し、カベオリン-3の活性をイムノブロッティング法にて確認した。その結果イソフルランによってカベオリン-3のタンパク活性が上昇することが明らかとなった。加えて、高血糖状態の心筋に対しイムノブロッティング法にてカベオリン-3の活性を調べてみると、タンパク活性を確認することができなかった。これらのことより、高血糖状態における吸入麻酔薬の心筋保護作用と細胞膜マイクロドメインとの関係に相互作用がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画書にある通りの進捗具合でありおおむね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はノックアウトマウスを使いながら、上記と同様の研究を行うことで吸入麻酔薬の心筋保護作用に対する細胞膜マイクロドメインとの関係をより明確にする予定である。 さらに、マウス・カベオリン-3 DNAを基にアデノウイルスを作成し、精製ウイルスを用いて単一遊離心筋細胞にカベオリン-3を過剰発現させ、その細胞の高血糖が及ぼす影響について明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
平成30年度3月納品となり支払いが完了していないため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 平成26年度4-5月に支払完了予定である。
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Research Products
(9 results)