2018 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの内在性レトロウイルス応答調節と血管保護による多発性嚢胞腎進展抑制
Project/Area Number |
16K11058
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石橋 道男 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40107032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東原 英二 杏林大学, 医学部, 特任教授 (00092312)
長尾 静子 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究施設, 教授 (20183527)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / PCKラット / ペリサイト / NG2 / HIF-1 / ベンゾイソフラノン誘導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
NG2活性化による腎髄質ペリサイト機能温存とラットPCK 多発性嚢胞腎モデルにみられる糸球体病変の軽減につき第62回日本腎臓学会学術総会にて発表予定である(2019年6月21日)。報告内容は「目的:腎髄質内の直細動脈に局在するペリサイトは血流温存の役割が示唆されている。多発性嚢胞腎疾患モデル動物であるPCKラットでは髄質集合管由来嚢胞が発生し初期に全域に及ぶ事から、腎臓内の血流が変化すると考えられる。ここでは低分子ベンゾイソフラノン化合物の投与が、ペリサイトと血管内皮細胞及び糸球体に与える影響について報告する。方法:PCKラット投与群と対照群の腎臓をNG2抗体(ペリサイト)、CD31抗体(血管内皮)を用いて免疫染色し、別にHE染色した。結果・考察:対照群ではNG2陽性細胞が減少しCD31陽性細胞は部分的であったが、投与群では乳頭起始部から髄質部でNG2陽性細胞が維持され、近接してCD31が血管の全周性に発現した。さらに投与群の正常糸球体率は、下降直動脈の循環障害が加味された糸球体病変を含め、対象群と比較して有意に増加していた。以上の事から多発性嚢胞腎におけるNG2活性化は、腎臓全体の血流を改善している可能性が示唆された」である。低分子ベンゾイソフラノン化合物、NK0070はin vitroでheterodimeric amino acid transporter の4F2hc heavy chainを活性制御することからα3β1インテグリンを介しNG2を活性化しgalectin-3とともにペリサイトの機能活性化と、HIF-1の制御による血管内皮の線維化を抑制、また、内在性レトロウイルスMart1遺伝子の関与も加わり、下降直動脈の保護により多発性嚢胞腎の進展抑制が示唆された。
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Research Products
(2 results)