2016 Fiscal Year Research-status Report
精子形成におけるrapgef6の機能解析と新しい男性不妊治療の開発
Project/Area Number |
16K11065
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤澤 正人 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30243314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 経 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20595699)
千葉 公嗣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40533766)
江夏 徳寿 神戸大学, 医学研究科, 助教 (30622550)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精子形成 / アンドロロジー / 男性不妊症 / セルトリ細胞 / OAT症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
rapgef6+/-の雌雄のマウス(C57BL/6系統)の交配から、rapgef6-/- 、およびrapgef6+/+の遺伝子型を持つオスのマウスを作製した。 採取した精巣、精巣上体や心臓内血液を用いて、体重及び精巣重量測定、下垂体性腺系ホルモン検査、精液検査、精巣組織のHE染色行った。 精巣重量は、ノックアウトマウスで優位に精巣重量の低下を認め、精子形成能の低下が推測された。また精液所見は精子濃度、運動率、正常形態率のいずれもノックアウトマウスにおいて低下を認め、いわゆるOAT症候群の所見を認めた。またHE染色でもノックアウトマウスで有意な精子形成の低下を認めた。 ELISA法にてテストステロンやFSHやLHの値を測定したが、両群間に有意差は認めなかった。これに関してはキットの問題や手技の問題なども考えられるため、引き続き再検討が必要と思われた。 次年度はvitroの実験に入る前に、アドへレンスジャンクションを構成する分子やタイトジャンクションを構成する分子とrapgef6を多重染色し、既知のN-カドヘリン以外の接着に関する分子に何らかの変化がないかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ELIZA法を用いて、ノックアウトマウスおよび正常マウスの血液中の各種ホルモン値(テストステロン、FSH、LH)の測定にトライしているが、エラーが多く、時間を要した。血液採取の方法に工夫するか、またELIZAキットを変えてみるなど考慮する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
vivoの実験で、rapgef6ノックアウトマウスは有意に精液所見が悪く、またHE染色でも造成機能の低下を改めて確認し、OAT症候群のモデル動物としての有用性を確認できた。次年度のvitroの実験でさらにrapgef6の精子形成における役割を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
現在までの研究は他の実験系でも使用する試薬などを共用して行ってきた。そのため、当初の予定よりわずかであるが、予算を節約することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、同様の実験に加え、in vitroの実験を行い、研究を加速させる予定である。それに伴い、ELISAキットなどが必要となる。次年度使用額はそれらに充てる予定としている。
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