2017 Fiscal Year Research-status Report
絨毛膜羊膜炎と子宮収縮抑制剤が胎児心拍数・胎児行動に与える影響-羊胎仔実験モデル
Project/Area Number |
16K11099
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
藤森 敬也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80285030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
経塚 標 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00644113)
河村 真 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10713133) [Withdrawn]
安田 俊 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50566817)
平岩 幹 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70769463)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 羊胎仔 / 胎児心拍数 / 絨毛膜羊膜炎 / 胎児心拍数基線細変動 / 子宮収縮抑制剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は妊娠羊胎仔慢性実験モデルを用いて、子宮内感染時の母体への子宮収縮抑制剤投与が母体・胎仔に与える影響を考察する。平成29年度は妊娠サフォーク羊4頭を用いて慢性胎仔実験モデルを作成し、非感染コントロールとして2頭において解析結果を得た。それぞれの妊娠羊に対して、子宮収縮抑制剤として塩酸リトドリン100μg/分、200μg/分、800μg/分を2時間母体に経静脈持続投与行い、投与直前、投与1時間後、投与2時間後、投与6時間後における母体心拍数(bpm)、母体収縮期/拡張期血圧(mmHg)、母体動脈血液ガス、および胎仔心拍数(bpm)、胎仔収縮期/拡張期血圧(mmHg)、胎仔動脈血液ガスを評価した。今回の母体経静脈持続塩酸リトドリン投与において、母体心拍数はいずれの用量でも投与1時間後、投与2時間後で著明に上昇していたが、投与後6時間後(持続投与終了4時間後)ではほぼ投与前の水準に戻った。特に800μg/分投与の際には平均値として、投与直前: 105bpm、投与1時間後: 206bpm、投与2時間後: 195bpm、投与6時間後: 124bpmと変化した。母体血液ガスでは特に800μg/分投与の際に投与6時間後に呼吸性アルカローシスの所見を認めた。また、いずれの用量においても母体、胎仔の両者で投与6時間後に血小板数が減少する傾向を認めた。すべての用量における母体血小板数の平均値は、投与直前: 32.1×104/μl、投与6時間後: 19.7×104/μl、胎仔血小板数の平均値は、投与直前: 41.4×104/μl、投与6時間後: 39×104/μlであった。一方、母体収縮期血圧/拡張期血圧、胎仔心拍数、胎仔収縮期/拡張期血圧、胎仔動脈血液ガスには大きな変化は認めなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠サフォーク4頭を用いて慢性実験モデルを作成したが、非感染コントロールとして2頭において解析結果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は子宮内感染モデルを作成し、本年度行った非感染コントロールと比較検討する。また、塩酸リトドリンの用量を増やし、迅速子宮収縮抑制法(一般的には塩酸リトドリン高用量を短時間で投与し、胎児機能不全の原因となる子宮収縮を抑制する方法)について検証すること、また子宮収縮抑制剤としてマグネシウム製剤を用いた際の解析を目標とする。さらに、既存のデータに関しても胎児心拍数基線細変動を加えて評価する。
|
Causes of Carryover |
(理由)実験が完遂できなかった動物がいたため (使用計画)平成30年度の実験用妊娠羊購入費に充てる
|