2017 Fiscal Year Research-status Report
Velocity Vector Imagingを用いた胎児異常における心機能解析
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16K11102
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菊池 昭彦 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10280942)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スペックトラッキング / Velocity vector imaging / 胎児心臓壁運動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年4月から平成30年3月まで、新たに胎児異常群18例のエントリーを行った。昨年度と合わせて、正常単胎胎児群(C群)39例、胎児異常群48例(FGR群13例、CHD群10例、non‐TTTS群22例、TTTS群3例)となった。症例に対して、研究方法に基づき胎児心臓超音波検査を行った。総超音波試行回数は、C群199回、胎児異常群約170回であった。また、平成29年度にエントリーしたC群29例に関して、昨年度の解析結果に加えて統計学的検討を行った。結果は下記の通りである。 1.systolic global longitudinal peak velocity (sGLPV), diastolic global longitudial peak velocity (dGLPV):妊娠週数の進行に伴い増加する。また、妊娠週数によらず常に右室が優位である。 2.心室中隔及び自由壁における各セグメントのvelocity比較では、全心収縮周期において右室・左室ともに自由壁基部で最も大きい。 3.global strain, systolic global strain rate : 妊娠週数の進行に伴い増加する傾向にある。右室と左室で有意な差はない。 1、2のVelocityに関する結果は既存の研究報告とほぼ同様であり、コントロールとして矛盾しない結果が得られた。一方、Strainに関しては、今まで一定の見解が得られていなかったが、今回初めて上記3と示すことが出来た。超音波スペックトラッキング法を用いた、正常単胎胎児心臓に関する解析パラメータの基準値は今のところ確立されていない。また、記録する超音波画像をフレームレート80 Hz(60~120 Hz)の条件下で本研究結果は基準値を確定するために重要な意義を持つと考えられる。この基準を用いて胎児異常群と比較することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C群の解析結果は、統計学的に有意な結果が得られた。妊娠週数における正常値を示すことが出来た。Strainに関しては、初めてその正常値を示すことが出来た。胎児異常群は昨年度の30例に加え18例のエントリーを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
胎児異常群の症例数と超音波試行回数を増やす。 胎児異常群の同一母体における週数毎の心臓壁運動変化を解析し、C群と比較する。同一母体における解析は今まで報告がなく、本研究の意義として重要である。
記録する超音波画像をフレームレート80 Hz以上で行うため、心房が不鮮明となってしまう場合があり、心房の解析が困難な画像がある。心房の解析は、解析可能な画像を検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
(理由)今年度の当初の計画では、英文校閲のための人件費・謝金、論文投稿と論文校正のためにその他費用を予定していたが、今年度の症例集積数ではまだ英文論文作成には不十分であると判断したためにこれらの経費が未使用となったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。 (使用計画)次年度には研究成果を適宜学会で発表するための旅費使用が増加する予定である。また成果をまとめた本格的な英文原著論文は最終年度に作成予定であるが、次年度には本研究に基づく英文症例報告作成などに使用していく予定である。
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