2016 Fiscal Year Research-status Report
卵管上皮に対する月経と排卵に伴う液性因子の発がん誘導作用の解析
Project/Area Number |
16K11134
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水本 泰成 金沢大学, 附属病院, 助教 (00420331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (30767249)
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 先任准教授 (70250933)
保野 由紀子 金沢大学, 附属病院, 助教 (80565416)
尾崎 聡 金沢大学, 保健学系, 助教 (40401921) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 卵巣高悪性度漿液性腺癌 / 卵管上皮 / 卵胞液 / 逆流月経血 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣高悪性漿液性腺癌(HGSC)は卵管由来とする仮説を支持されつつある。TP53変異は必発であるが、変異誘導因子やそれ以外の発癌に必要な因子は解明されていない。一方、疫学研究から低用量ピル使用による排卵抑制や卵管結紮がHGSC発症リスクを低減することが知られており、逆流した月経血や排卵の発癌への関与が示唆される。本研究ではHGSC発癌の初期段階で月経血、卵胞液中に存在する液性因子が1)遺伝子毒性を持ちTP53などの遺伝子変異を誘発する。2)BRCA経路などのDNA修復機構の異常を誘発する。3)TP53変異後の癌形質獲得に影響を及ぼす。という三つの仮説を立て、ヒト卵管上皮不死化細胞(iFTE)や条件特異的遺伝子改変マウスを用いて検討することによりHGSCの新しい予防・治療法の開発に繋がる知見を得ることを目的としている。 卵巣高悪性度漿液性腺癌の発癌過程のおける卵胞液、経卵管的逆流月経血の関与をin vitro実験系にて確認するためにヒト卵管上皮不死化細胞(iFTE:immortalized Follopian Tubal Epithelium)を作成した。今後この細胞を用いて卵胞液、経卵管的逆流月経血がどのようにTP53遺伝子、BRCA遺伝子あるいはその他の候補因子に影響し、発癌過程に寄与するか解析を行う予定である。まず背景となるこのiFTEの細胞分子学的特徴の解析、特にTP53発現、変異、BRCA遺伝子状態、癌形質の有無(足場非依存性増殖能、免疫抑制マウスにおける腫瘍形成能)を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に費やすことのできる時間が計画当初よりも短くなったため
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行するために必要な時間、人員を確保するため関係部署と交渉する。
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Causes of Carryover |
予定していた人件費を使用しなかったために次年度使用額が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を推進するため必要な物品購入に充てる。
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