2017 Fiscal Year Research-status Report
卵巣癌に対するWT1特異的がん免疫療法の開発と抗腫瘍免疫担当細胞機能の質的解析
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16K11136
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 純幸 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00403189)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん免疫療法 / 卵巣癌 / WT1ペプチドワクチン / 抗原特異的T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、III/IV期進行卵巣癌に対する新規のWT1ペプチドワクチン(class Iペプチド+class IIペプチド)療法臨床試験を実施する。更に、先行して実施した進行期卵巣癌に対するHLA-A*2402拘束性WT1ペプチドワクチン(class Iペプチド単独)療法臨床試験を受けた症例の血液サンプルと併せて、WT1特異的T細胞の評価、特に質的評価を中心に行い、本治療法を発展させるための基盤的研究を行うことを目的に遂行している。 第1に先行実施した進行期卵巣癌に対するHLA-A*2402拘束性WT1ペプチドワクチン(class Iペプチド単独)療法臨床試験の参加症例より得られた血液サンプルを用いたWT1特異的細胞傷害性T細胞の評価解析を行った。 第2に「III・IV期卵巣がん完全緩解例に対するWT1ペプチドワクチン免疫療法の第Ⅱ相臨床試験」を実施し、症例集積を試みている。12名のHLAスクリーニング、8名の試験登録で試験治療を実施した。治療の安全性評価と共に有効性評価として、試験治療開始後の1年目、2年目での無増悪生存割合を評価している。5/8例で1年の予定試験治療を完了し、4名のその後の継続治療、2例の2年目無増悪生存を確認した。これらの症例の血液サンプルを用いてWT1特異的T細胞の質的評価を順次行っている。 その他、本治療法の増強法の探索として新規免疫アジュバントCpGODN(K3)の安全性評価のための臨床試験を実施したり、本研究に関連したWT1特異的T細胞の評価方法の開発の一環として他癌腫症例の末梢血サンプルを用いた解析も同時に行い、学会発表、論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の骨格となる「III・IV期卵巣がん完全緩解例に対するWT1ペプチドワクチン免疫療法の第Ⅱ相臨床試験」への症例集積が予定通り進んでいない。進行卵巣癌に対する標準治療の変化も影響し、本研究の対象となる症例が限られてきてしまった背景がある。2017年4月にプロトコールを改正したものの、集積は思うように進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究法の施行により本研究の継続は制限されるようになるため、2018年度内で本研究の骨格となる「III・IV期卵巣がん完全緩解例に対するWT1ペプチドワクチン免疫療法の第Ⅱ相臨床試験」への症例集積は終了となる見込みである。今後は、集積した症例の血液サンプルを用いて当初予定した免疫担当細胞の質的解析を順次行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)2017年度の研究計画の遅れ、特に症例集積の遅れにより細胞解析等に必要な試薬等の購入代金の節約となった。結果、当初計画した予算案よりも2017年度決算額が安くなった。 (使用計画)試薬等の購入や旅費(情報収集や共同研究の打ち合わせ等)への使用を計画的に行う。
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[Journal Article] Combination Gemcitabine and WT1 Peptide Vaccination Improves Progression-Free Survival in Advanced Pancreatic Ductal Adenocarcinoma: A Phase II Randomized Study.2018
Author(s)
Nishida S, Ishikawa T, Egawa S, Koido S, Yanagimoto H, Ishii J, Kanno Y, Kokura S, Yasuda H, Oba MS, Sato M, Morimoto S, Fujiki F, Eguchi H, Nagano H, Kumanogoh A, Unno M, Kon M, Shimada H, Ito K, Homma S, Oka Y, Morita S, Sugiyama H.
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Journal Title
Cancer Immunol Res.
Volume: 6
Pages: 320-331
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] WT1 peptide-based immunotherapy for advanced thymic epithelial malignancies.2018
Author(s)
Oji Y, Inoue M, Takeda Y, Hosen N, Shintani Y, Kawakami M, Harada T, Murakami Y, Iwai M, Fukuda M, Nishida S, Nakata J, Nakae Y, Takashima S, Shirakata T, Nakajima H, Hasegawa K, Kida H, Kijima T, Morimoto S, Fujiki F, Tsuboi A, Morii E, Morita S, Sakamoto J, Kumanogoh A, Oka Y, Okumura M, Sugiyama H.
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Journal Title
Int J Cancer.
Volume: XX
Pages: XX
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Wilms tumour 1 peptide vaccine as a cure-oriented post-chemotherapy strategy for patients with acute myeloid leukaemia at high risk of relapse.2017
Author(s)
Nakata J, Nakae Y, Kawakami M, Morimoto S, Motooka D, Hosen N, Fujiki F, Nakajima H, Hasegawa K, Nishida S, Tsuboi A, Oji Y, Oka Y, Kumanogoh A, Sugiyama H.
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Journal Title
Br J Haematol.
Volume: XX
Pages: XX
DOI
Peer Reviewed
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