2016 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸癌における細胞分泌エクソソームを用いた次世代ドラッグデリバリー治療の開発
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16K11164
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
林 正美 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00551748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
田中 良道 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10625502)
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70454543)
佐々木 浩 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80432491)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90278531)
藤原 聡枝 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90707960)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロRNA / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
進行子宮頚癌の予後改善にむけ、本研究ではがん遺伝子c-Mycの機能を制御するため、c-Myc結合蛋白であるMYCBPを制御するマイクロRNAに着目し検討を行った。マイクロRNAの一つであるmiR22は、MYCBPの発現を抑制し、その結果c-Mycの標的遺伝子の転写が抑制されることが他癌種では報告があるが婦人科癌での報告はなく、miR22の関与については未だ不明である。 我々は種々の子宮頸癌細胞株で、miR22はMYCBPの発現を抑制し、c-Mycの標的遺伝子であるhTERTの発現を減少させることを見出した。miR22の抑制によりMYCBPおよびhTERTの発現は逆に増加した。miR22のMYCBP発現制御機構を解析するため、ルシフェラーゼアッセイを行ったところ、miR22の強制発現によりMYCBPレポーター遺伝子発現が抑制された。 進行子宮頚癌で標準治療として施行される放射線感受性についてのin vitroの検討では、miR22の強制発現により腫瘍の放射線感受性が増強し、逆にmiR22の発現抑制により放射線感受性は低下した。次に、miR22レンチウイルスベクターを用いてmiR22を安定発現する子宮頚癌細胞株を樹立した。 細胞から分泌されるエクソソーム中にはmRNAやマイクロRNA等の核酸物質が内包されていることが知られてきているが、エクソソームと癌の悪性化との関連も示唆されている。そこで、培養細胞が分泌するエクソソームを安定して回収できるよう手技を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの実験の進捗状況は概ね良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
mir22レンチウイルスベクターによる遺伝子導入にて樹立したmiR22を安定発現する子宮頚癌細胞を用いて、in vivoでのmir22の抗腫瘍効果を検証するとともに、予定である。
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