2016 Fiscal Year Research-status Report
遠隔転移モデルマウスによる遠隔転移に関与するmicroRNAの解明
Project/Area Number |
16K11222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嵯峨井 俊 東北大学, 大学病院, 助手 (90375014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40249983)
小玉 哲也 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40271986)
小川 武則 東北大学, 大学病院, 講師 (50375060)
森 士朗 東北大学, 大学病院, 講師 (80230069)
齋木 由利子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80311223)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | microRNA / 遠隔転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肺転移モデルマウスにおける肺転移病巣の活性化の機序を解明するために、肺転移病巣活性化の状態における腫瘍組織や血漿におけるmicroRNAを解析し、その遠隔転移における役割を解明すること。また、本研究で同定された遠隔転移に関連するmicroRNAの頭頸部癌患者の腫瘍組織や血中での変動を解析し、実臨床での高精度診断法や低侵襲治療法への応用の可能性を探ることである。本研究で用いる肺転移モデルマウスは、長径10mmm程のリンパ節を有するMXH10/Mo/lprマウスで、腸骨下リンパ節(SiLN)に腫瘍細胞を接種し、そのリンパ節を切除すると肺の転移病巣が活性化するというモデルである。一般に癌が増殖する過程においては、血管やリンパ管の新生や間質細胞の増生等を伴うことから、担癌マウスの組織や血漿に含まれる様々な因子が変動することが予想され、遠隔転移病巣活性化を解析のための標本採取の時期設定は、本研究の成功の可否に関わる重要事項である。平成28年度は、上記転移モデルマウスとルシフェラーゼ発現腫瘍細胞、および生体発光画像解析装置を用いて、腫瘍細胞を接種したSiLN切除のタイミングや腸骨下リンパ節切除後の肺微小転移病巣の活性化の開始時期を検討した。その結果、マウス線維芽細胞由来の腫瘍細胞である MRL/KM-Luc/GFP細胞およびマウス乳癌細胞由来の FM3A-Luc 細胞のいずれにおいても、SiLNへの腫瘍細胞接種後わずか6時間経過後にSiLNを切除したマウスにおいて、肺微小転移病巣の活性化が確認された。しかし、リンパ節切除から肺微小転移病巣の活性化までの期間は、MRL/KM-Luc/GFP細胞においては、SiLN切除後9日であったのに対し、FM3A-Luc 細胞においてはSiLN切除後28日で腫瘍細胞の種類によって活性化の時期が異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、肺転移モデルマウスにおける肺微小転移病巣の活性化時期が明らかなになり、標本採取時期の設定を行うことができたことから、本研究初年度の進行状況としては、順調であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
肺転移モデルマウスから、本年度の研究結果から得られた肺微小転移病巣活性化時期を考慮しつつ、標本採取を行っていく。標本採取が進んだ段階でマイクロアレイにより遺伝子発現、microRNA発現の解析を行い、real time PCR法やImmunoblotting法を用いマイクロアレイにより得られた結果のValidationを行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りの収支となっており、当初計画より効率的に予算を執行した結果、端数が残金として残った形となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の必要物品(実験試薬等)にあてる予定である。
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