2018 Fiscal Year Annual Research Report
Trial to identify the causative gene of periodic strabismus
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16K11309
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
仁科 幸子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 感覚器・形態外科部, 医長 (40237954)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 斜視 / 周期性斜視 / 概日リズム / モデル生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
斜視は、両眼の視線が正しく目標に合致していない状態である。視覚刺激に対する感受性の高い乳幼児期に斜視が起こると、斜視眼の抑制、弱視、対応異常をきたし、正常な両眼視機能(立体視)が発達しない。一方、学童期以降に斜視が起こると複視をきたす。斜視は両眼視機能の異常によって生涯にわたるQOL低下をきたす難治性疾患である。斜視には様々な種類があり先天素因、解剖学的異常、筋や神経麻痺、屈折や調節異常などが発症に関与する。斜視の頻度は、人種差はあるものの国内外で2~4%と高い。しかしながら、斜視の原因に関しては、遺伝的要因と環境要因の双方が提唱されているが、不明のままである。そこで、特殊な斜視を対象にして研究することが、斜視全体の原因解明の突破口になると考え、周期性斜視の遺伝的要因の同定の研究に着手した。周期性斜視は小児期に発症し、斜視の日(両眼視機能不良)と斜視のない日(両眼視機能良好)が48時間もしくは24時間周期で交代する特殊な共同性斜視であり、概日リズムが関与していると推測されるが原因は不明である。次第に周期が崩れて両眼視不良となることが多く、手術治療を契機に斜視が軽快するが、その機序も明らかでない。これまでに、周期性外斜視である10歳女児(父日本人、母フランス人)と周期性内斜視である5歳女児(父母ともオーストラリア人)の2例のゲノム解析を行った。興味深いことに、エクソン領域に点変異を見出している。現在、この変異が表現型の原因であるか否かを検討中である。また、周期性斜視との関連が示唆される「概日リズム」の制御機構について、モデル生物であるゼブラフィッシュを用いて検討した。その結果、光誘導性の時計遺伝子が細胞時計の同調を介して行動リズムを制御していることを明らかにした。周期性斜視と概日リズムとの関連を検討中である。
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Research Products
(12 results)