2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular target therapy to IAP for pediatric solid tumor
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16K11345
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上野 豪久 大阪大学, 医学部附属病院, 特任准教授(常勤) (10456957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田附 裕子 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10397698)
奥山 宏臣 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30252670)
中畠 賢吾 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50643532) [Withdrawn]
山中 宏晃 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70467570) [Withdrawn]
野口 侑記 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30771042)
児玉 匡 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60771045)
阪 龍太 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00459190)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児固形腫瘍 / 肝芽腫 / 化学療法 / 分子標的薬 / シスプラチン / ビリナパント / 抗アポトーシス分子 / IAP |
Outline of Annual Research Achievements |
小児固形腫瘍に対しては治療成績は向上したものの、いまだに不十分である。また、現在主力の化学療法では強い副作用があり、その使用量の低減も必要である。今回、我々は、抗アポトーシス分子のIAPに着目して、その分子を抑制する分子標的薬のBrinapantを使用することで、治療成績の向上を目指した。 まず最初に小児固形腫瘍のうち肝芽腫を対象として実験した。コントロールとして通常手術時に得られた肝組織を使用し、IAPファミリーのcIAPの抗体で染色を行なった。正常肝組織では発現が見られずに、肝芽腫の組織では発現が認められた。このことから、腫瘍細胞に特異的に発現していることがわかった。また、抗ガン剤を投与した後の腫瘍組織では高発現であることがわかった。このことから、抗がん剤を投与した後に発現が増強し抗アポトーシスをきたして腫瘍が生存すると推測できる。このことからcIAPをターゲットにして分子標的薬を開発することを進めた。 次に、in vitroの実験を行うために、肝芽腫の細胞株を用いて実験を行った。細胞株はHuh6`とHepG2を使用した。どちらの細胞株もcIAPの高発現をWestern blottingで明らかにした。 培養細胞株にシスプラチンを単体投与した群と、Brinapantを投与した群で比較すると、Brinapantを投与した群で、細胞株の生存が低かった。 以上のことから、Brinapantは肝芽腫に対する分子標的薬としての効果が期待できることがわかった。 現在使用されているシスプラチンは腎毒性を主体する副作用が強く、臨床的にはBrinapantを使用することによってシスプラチンの投与量を減少し副作用を減少させることが期待できる。また、抗ガン剤体制の再発例に対してもその治療効果が期待できること重要である。
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