2016 Fiscal Year Research-status Report
災害時における衛星通信を利用したドローンの有効活用
Project/Area Number |
16K11405
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
貞森 拓磨 広島大学, 病院(医), 病院助教 (40437611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 竜俊 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (80773910)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ドローン / UAV / 無人航空機 / 衛星通信 / 災害医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では、平成28年4月に発災した熊本地震の際、熊本県災害対策調整本部の指揮のもと4月16~28日の13日間、西原村の被災状況をUAVで空撮し、情報共有性能を評価した。携帯電話網が使用できない地域であっても、衛星通信回線を使用しUAV映像をリアルタイムかつ遠隔地で視聴できることを証明した。さらに、医療者が現場に不在でも使用でき、かつ緊急必要性の高い薬剤をUAVで安全に運搬できることを実証した。また、UAVに放射線空間線量計を搭載し、遠方の空間線量を測定できることを示した。動態管理可能なIP無線機により隊員の活動位置を一括視認し、トランシーバー機能による円滑な情報共有も可能にした。省電力かつ軽量なデジタルペーパーを使用したクロノロジー記録の有用性も検証した。 8月には、広島県警察歯科医会および広島県警、10月には広島市消防局と共同で、要救助者発見支援をUAVで行うことで訓練の一端を担い有用性を検証した。 被災地支援活動において、画像伝送装置、UAV、IP無線機、デジタルペーパーなどのICTデバイスは、情報収集・情報共有においていずれも有用であり、新たな情報共有取得手段として期待される。これらの活動は、平成28年12月に文部科学省によって発行された「大学病院の現状」の取組事例「災害時における無人航空機(ドローン)の利活用(広島大学)」として掲載された。また、平成29年度総務省SCOPE地域ICT振興型研究開発として「無人航空機を利用した医療過疎地における緊急血液検体搬送の研究開発」に採択された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は、システム構築を行い、災害訓練参加で検証を行う予定であったが、年度当初に発災した熊本地震に出場し、実際にシステムを運用できたため、訓練では得ることができないようなマイナートラブルにも遭遇し、経験できたため、これを課題として抽出し今後解決していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
より実効性のあるシステムとして検討を行い、システム構築、運用方法を検証していく。
|
Research Products
(4 results)