2016 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアDNA傷害細胞におけるストレス応答とその制御
Project/Area Number |
16K11513
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
富田 和男 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60347094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60165701) [Withdrawn]
犬童 寛子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (00301391) [Withdrawn]
末永 重明 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (00136889) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ミトコンドリア / 酸化ストレス / 遺伝子発現変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアDNA (mtDNA) を欠失したρ0細胞における遺伝子発現について、親株である143B (Osteosarcoma 由来細胞株) と比較検討した。親株とρ0細胞をピルビン酸及びウリジン存在下の培地にて培養し、十分育ったところで細胞を回収した。まず、DNAを市販のキットを用いて抽出し、mtDNAが欠失しているかを確認した。その結果、ρ0細胞においてはmtDNAは検出限界以下であった。次に、回収した細胞をISOGEN処理しRNAを抽出した。予備的なDNAアレイ実験で発現変化が認められた遺伝子群のプライマーを用いてSYBR Greenを用いた定量PCRを行ったところ、ミトコンドリア関連遺伝子のみならず、分子シャペロンや抗酸化酵素群の遺伝子発現が変化していることが明らかとなった。ミトコンドリア関連遺伝子については、ミトコンドリアに局在し、活性酸素を消去する酵素であるMnSOD、ミトコンドリア膜の物質輸送に関わるTOM22の遺伝子発現が亢進していた。分子シャペロンにおいては、HSP90a, HSP72, HSP70等の発現が有意に亢進しいた。さらに、DNA修復酵素であるKu86の遺伝子発現も亢進していた。ρ0細胞におけるこれらの遺伝子発現の亢進は、細胞内で活性酸素量が上昇し、それにより細胞内構成要素が親株に比べてよりダメージを受け、そのダメージを修復させようとしているのではないかと考察された。また、アポトーシスに関与する遺伝子であるチトクロムCやFas 等の遺伝子発現も亢進していることも明らかとなった。 また、MnSODおよび、CuZnSODの過剰発現用コンストラクトを作成し、シークエンスにてベクター内に目的遺伝子が挿入されていることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りρ0細胞における遺伝子発現変化について定量PCRにて親株と違いがある複数の遺伝子を明らかにできたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
mtDNA欠失細胞における遺伝子発現変化を検出することができたので、今後は、mtDNAの一部を欠失している細胞における遺伝子発現変化を調べる予定である。また、ρ0細胞については、新たに2系統のρ0細胞を入手したので、これらの細胞における遺伝子発現変化についても検討する。さらに、作成したコンストラクトを細胞に導入することにより遺伝子発現がどのように変化するのかについても検討を行う。その際の解糖系及び、電子伝達系の活性、ATP量も調べる予定である。
|
-
-
[Journal Article] Similar clinical phenotype and segregation of mitochondrial 3243A>G mutation in two pairs of monozygotic twins2016
Author(s)
Maeda K, Kawai H, Sanada M, Terashima T, Ogawa N, Idehara R, Makiishi T, Yasuda H, Sato S, Hoshi K, Yahikozawa H, Nishi K, Itoh Y, Ogasawara K, Tomita K, Indo H, Majima HJ.
-
Journal Title
JAMA Neurology
Volume: 73
Pages: 990-993
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Changes in mitochondrial homeostasis and redox status in astronauts following long stays in space.2016
Author(s)
Indo HP, Majima HJ, Terada M, Suenaga S, Tomita K, Yamada S, Higashibata A, Ishioka N, Kanekura T, Nonaka I, Haukins CL, Davis MJ, St Clair DK, Mukai C.
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-