2017 Fiscal Year Research-status Report
歯科用コーンビームCTの患者線量推定プログラムの作成
Project/Area Number |
16K11528
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 健児 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (50130670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅海 利恵子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (30548243)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯科用コーンビームCT / DAP / DLP / 変換係数 / 実効線量 |
Outline of Annual Research Achievements |
【平成29年度の作業目的】歯科用CBCT撮影時における患者実効線量Eを推定するためのプログラムを作成することが最終目標である。そのための面積線量DAPや線量-長さ積DLP等の基礎データを収集し、エクセルファイルによるデータベースを作成することを平成29年度の作業目的とした。 【線量測定】平成29年度までにDAPまたはDLPを測定した歯科用CBCTは、R9000N 、AZ3000CT、Alioth、Alphard 3030、AUGE X ZIO、AUGE SOLIO Z 、CB Throne 、CB MercuRay、3DX Multi-image Micro CT、3DX Multi-image Micro CT FPD、3DX Multi-image Micro CT FPD8 、Veraviewepocs 3D、3D Accuitomo FPD17、Veraview X800、FineCube、Kinki Combi Scan、ProMax 3D、i-CAT FLXである。線量測定とともに装置の仕様について調査した。 【DLPにによる変換係数E_DLPの評価】平成28年度はDAPによる変換係数E_DAPについて報告した。調査した22件の文献で取り扱われている装置数は延べ42台、報告されているEは153であり、その内実測したDLPと同じ撮影条件のデータ数は40であった。DLPは最小7.8 mGycm、最大184 mGycm、平均37mGycm、およびEは最小21μSv、最大603μSv、平均98.1μSvであった。E_DLPは0.827μSv/(mGycm)となった。 【データベースの作製】データベースを構成する撮影条件は、機種、センサー、焦点、整流方式、kV、mA、照射時間、、回転角度、総濾過、HVL、FOV、拡大率、DAP、DLP、E_DAP、E_DLPである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(理由) 1.歯科用CBCT撮影時の患者実効線量Eの精度を向上させ、推定するために入力する撮影条件の幅を広げるための基本的な方法は、面積線量DAPまたは線量-幅積DLP、およびEに関するデータ数を増やすことであるが、まだ十分ではない。 2.平成29年度に作成したデータベースはデータ数が少ないだけでなく、各種撮影条件の見直しが必要と考えられる。 3.エクセルによる歯科用CBCTにおける患者実効線量推定プログラム作成が未着手である。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 1.平成29年までは、面積線量DAPおよび線量-幅積DLPは我々の実測データのみを採用していたが、平成30年度は文献検索によってデータの増加を図る。 2.歯科用CBCTの撮影あたりの患者実効線量Eは、文献検索によって評価した。採用したEは、ICRP2007年勧告の組織加重係数による定義にしたがって、成人の頭蓋を軟組織等価物質で覆った(RANDO)ファントムと蛍光ガラス線量計、熱蛍光線量計および光刺激ルミネセンス線量計などを用いた実測で得られたものである。平成30年度はモンテカルロ計算や医科用CT用患者実効線量推定プログラムを応用して得られたEを文献検索し、Eのデータの増加を図る。 3.平成29年度に作成したデータベースを以下の撮影条件から構成されるものに変更する。(1)メーカ、(2)装置名、(3)製作年、(4)センサー、(5)焦点サイズ、(6)総濾過、(7)管電圧、(8)管電流、(9)整流方式、(10)HVL、(11)FOV(φ×hight)、(12)ボクセルサイズ、(13)照射時間、(14)回転角度、(15)焦点-センサー間距離、(16)焦点-回転中心間距離、(17)拡大率、(18)実効検出領域、(19)センサー上でのビームサイズ(成人と子供)、(20)センサー上での空気カーマ(成人と子供)、(21)DAP(成人と子供)、(22)DLP(成人と子供)、(23)変換係数E_DAP、(24)変換係数E_DLP、(24)実効線量E 4.作成したデータベースをもとにして、エクセルによる歯科用CBCTにおける患者実効推定プログラムを作成する。
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Causes of Carryover |
【理由】平成28年度まで、面積線量DAPは、CT用ペンシル型電離箱10×5-3CT / 線量計9015(Radcal社、米国)を用いて空中CT線量指数CTDIairと空中線量-長さ積DLPairを測定し、これらの値から導いたものも含まれていた。また線量-幅積DLPも同線量計を用いて測定されていた。しかし、平成29年度には半導体型CT線量計を購入したため、電離箱型線量計の日本品質保証機構JQAでの線量校正が不必要となり校正費として支出しなかったためである。 【使用計画】平成30年度は、①最近、低線量の歯科用CBCTが市場に出始めており、低エネルギーでの測定精度のよいマモグラフ用の半導体検出器によって、低線量歯科用CBCTのエネルギー依存性をチェックすることを平成30年度の作業に加える。そこで当該線量計の購入費の一部に昨年度予算を組み込む。②DAP、DLP、患者実効線量Eに関する文献検索(検索費)、最近の低線量歯科用CBCTの線量測定(線量計運搬費、測定旅費、測定補助費)、データベースの構築と患者実効線量推定プログラムの作成(データ処理補助費)を行う。
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