2017 Fiscal Year Research-status Report
象牙質－幹細胞複合体からなるハイブリッド骨補填材の創製
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16K11570
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| Research Institution | Asahi University |
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Principal Investigator |
田中 雅士 朝日大学, 歯学部, 助教 (10761596)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70513670)
吉田 隆一 朝日大学, 歯学部, 教授 (80102127)
玉置 幸道 朝日大学, 歯学部, 教授 (80197566)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 滅菌象牙質 / オートクレーブ滅菌 / 幹細胞 / ハイブリッド骨補填材 / 象牙質基質タンパク質 / 糖鎖 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、象牙質と骨髄由来幹細胞を組合せたハイブリッド材料を動物モデルへの移植し骨補填材としての評価を行い、以下の結果を得た。
①象牙質あるいは比較対照とした人工骨補填材（水酸化アパタイト（HA）、β-TCP）と共に骨髄由来幹細胞を7日間培養して複合体を形成させ、これを骨補填材としてヌードマウス背側皮下に埋植した。埋植3週間後および6週間後に固定後、組織化学的、免疫組織化学的に検討したところ、埋植後3週間の組織で、象牙質ハイブリッド材料埋植群に顕著にTRAP陽性細胞が観察された。また、形態を観察すると、象牙質顆粒周囲に管腔構造が多数みられ、血管内皮細胞マーカーの免疫染色を行ったところ、象牙質ハイブリッド材料群でCD34陽性細胞が多数観察された。埋植後6週間の組織では、象牙質ハイブリッド材料群で移植材料周囲にオステオカルシン陽性かつヒト核抗原陽性細胞が多数みられ、骨髄由来幹細胞が埋植後も組織で生存し、骨芽細胞様に分化していることがわかった。
②①の結果から、ヒト臍帯静脈内皮細胞（HUVEC）およびマウス骨髄由来細胞混合培養系を用いて評価したところ、象牙質顆粒はHUVECの増殖を促進し、象牙質顆粒から溶出する成分がHUVECの遊走を促進した。また、マウス骨髄由来細胞混合培養系を用いて破骨細胞分化を検討したところ、象牙質顆粒存在下で活性型ビタミンＤを添加し培養した群ではTRAP陽性の巨細胞が多数観察された。これに対して人工骨補填材を用いた群ではTRAP染色性も象牙質群と比較して低く、巨細胞はみとめられなかった。以上から、象牙質顆粒が骨補填材として有望であることが示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
象牙質顆粒を用いたハイブリッド材料で、骨様組織周囲にヒト骨髄由来幹細胞が生存し骨芽細胞様に分化していることが示され、また、骨補填材顆粒を単独で用いた場合よりも幹細胞を組合せたハイブリッド材料で、骨様組織形成が顕著であったことから、幹細胞を組合せたハイブリッド材料の骨補填材としての応用の可能性が期待できる。また、象牙質顆粒群で顆粒周囲に破骨細胞様細胞は顕著に見られ、in vitroの解析でも象牙質顆粒存在下で破骨細胞様細胞の分化および血管内皮細胞の増殖が顕著なことから次年度に行う、象牙質顆粒に含まれる有効成分のスクリーニングの有用性が示されたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果をふまえ、オートクレーブ滅菌後の象牙質顆粒に、細胞遊走、接着、増殖を促進する何らかの要因が存在すると考えられるため、その効果が象牙質から溶出する可溶性ファクターによるものか、培地の血清成分が象牙質に沈着して細胞が利用しているのかを明らかにする必要がある。そのため、新鮮象牙質を比較対照として、有機成分の抽出、あるいは象牙質顆粒を培地や緩衝液に浸漬した後、象牙質を遠心除去した試料を用いてペプチド断片や糖鎖の探索および、象牙質に吸着される血清成分の探索等、有効成分の探索を行う。
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