2016 Fiscal Year Research-status Report
薬物担持担体と幹細胞を用いた 広域顎口腔組織欠損再生
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16K11667
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (20228430)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (90547259)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 薬物徐放担体 |
Outline of Annual Research Achievements |
bFGF のヘパリンとの親和性に着目し、ヘパリンをあらかじめリン酸三カルシウム多孔質体に化学的に結合させた薬物徐放担体を開発した。本課題では、これを担体としてヒトiPS細胞や脂肪細胞から誘導した間葉系幹細胞と組み合わせて口腔癌等によって生じた広域顎口腔組織欠損の顎骨再生を行うための基礎研究を行うことである。 ビーグル犬下顎小臼歯を抜去し、8週の治癒を経過後、インプラントドリルを用いて骨窩洞を3ヶ所形成した。術後2、4、8週に各2匹を安楽死させ、下顎骨を摘出し、実験部位をマイクロCTで撮影後にマイクロX線画像解析装置を用いた骨のパラメーター解析を行い、硬組織脱灰研磨・薄切にてヘマトキシリンエオジン(HE)染色、免疫染色、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ染色による病理組織学的観察も行った。 骨のパラメーターに計測においてbFGF群と対照群を比較して骨密度は、2,4,8週の全てで骨塩量は4,8週において有意差を認めた。一方で、骨体積率では2、4、8週の全てにおいて有意差を認めなかった。病理組織学的観察では、2週においてはbFGF群では結合組織が残存α-TCP顆粒を取り囲む様に形成され、多数の新生血管や破骨細胞を認めることから骨形成が活発に行われていた。対照群では多数のα-TCP顆粒の残存が観察された。4週においてはbFGF群では新生血管や破骨細胞は少なくなるのに対し、対照群では2週のbFGF群と同様、結合組織が残存α-TCP顆粒を取り囲む様に形成され、多数の新生血管や破骨細胞を認めることからbFGF群に遅れて骨再生が行われていることが明らかとなった。8週においてはbFGF群では新生血管や破骨細胞はほとんど認めず、大部分のα-TCPは分解され新生骨に置換されるのに対し、対照群では新生血管や破骨細胞が多数確認でき骨形成が続いていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬物徐放担体の作製条件を明らかにし、ビーグル犬の実験で成果を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
間葉系幹細胞を薬物徐放担体中で培養を行い、骨芽細胞分化の評価を行う。
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Causes of Carryover |
動物実験を中心に実施したので、細胞培養に関する支出が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
薬物担持担体に間葉系幹細胞を播種し、骨芽細胞分化や歯根膜細胞分化の評価を行う。
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Research Products
(2 results)