2018 Fiscal Year Annual Research Report
左室拡張能、圧受容体反射感受性とバイオマーカーによる術後心血管リスク因子の同定
Project/Area Number |
16K11756
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
糀谷 淳 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60304325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 昌明 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00347113)
山下 薫 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (50762613)
大野 幸 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (00535693)
遠矢 明菜 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (80593649)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 左室拡張機能 / バイオマーカー / 加速度脈波 / 心エコー図検査 / 左室駆出率の保たれた心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年高齢者において、左室が硬くて広がりにくい(拡張障害)ため、左室駆出率は保たれているが心不全症状を呈する(heart failure with preserved ejection fraction; HFpEF)患者が増加している。本研究では、歯科・口腔外科手術後の循環器系異常の発症をアウトカムとして、高齢・高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの従来の心血管リスクだけでなく、心エコー図検査の左室拡張機能を反映するパラメータ群(僧帽弁輪移動速度[e']、左房圧を反映するE/e')、簡便に測定できる加速度脈波加齢指数(AGI)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、高感度心筋トロポニンT(hs-TnT)などのバイオマーカーから、術後循環器系異常(異常高血圧[SBP≧170mmHg]、虚血性心電図異常、血圧低下[SBP<80mmHg])の発症に影響を与える因子の特定を試みた。
4種類のバイオマーカーおよび心エコー図検査の拡張能を表すe’が全てそろい、術後循環器系異常の追跡が終了している患者は157例(平均年齢70.4±11.8歳、男性92例、女性65例)であった。NT-proBNP、hs-TnT、hs-TnIはそれぞれe’に有意な負の相関を示し、左房圧を反映するE/e’とはいずれも有意な正の相関を示した。術後循環器系異常を発症した患者と発症しなかった患者で群間差を生じたのは、BNP、NT-proBNP、hs-TnTであった。e’に独立して影響を与える因子は年齢、空腹時血糖値、AGIであった。術後循環器系異常の発症に独立して影響を与える因子は、左室心筋重量係数とNT-proBNPであった。
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Research Products
(6 results)