2016 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mimicryに基づくベーチェット病の診断と予防戦略
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16K11839
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
森 真理 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (30275490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 敏行 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90262203)
北市 伸義 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (40431366)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯周病 / ぶどう膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、および眼症状の4つを主症状とする慢性再発性の炎症性疾患であり、口腔症状の頻度が最も高いと言われている。また、血管に病変が見られる場合には、深部静脈血栓を好発する。ベーチェット病の原因は現在も不明であるが、遺伝的要因としてHLA-B51が最も強く関連していることや、環境要因として、口腔内から高頻度で分離される常在細菌で、齲蝕、歯周病および根尖性歯周炎などの歯科疾患にも関与する事が報告されているStreptococcus sanguinisという細菌の関与が報告されている。しかし、これらがどのように病態に関わっているのか、その分子機構については不明である。 そこで本研究では、ベーチェット病発症におけるStreptococcus sanguinisの関与を検討することを目的としてHLA-B51、S-AgおよびApoHに対する自己抗体とS. sanguinis との関係を検討する。 当該年度においては、ベーチェット病発症において、抗リン脂質抗体の関与がみられるかどうかについて検討した。抗リン脂質抗体は血栓症を引き起こすことと関連があると報告されており、 脳卒中、心筋梗塞、深部静脈血栓や習慣流産の患者さんで検出されることがある。したがって、抗リン脂質抗体がベーチェット病の患者さんで検出されると、ベーチェット病における血栓の形成にも関与している可能性が考えられる。そのことにより、血管に病変が見られるベーチェット病患者の深部静脈血栓という病態を説明づけることができるようになるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
施設内での連携がうまくいっているためと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究内容に従って、さらに進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
ペプチドの合成に時間がかかり、平成29年度の支出となるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ベーチェット病患者と健常者のサンプルでS.sanguinisを定量し、またベーチェット病患者と健常者の血清中のHLA-B51、S-AgおよびApoHに対する自己抗体量についても検討する。
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