2017 Fiscal Year Research-status Report
フラボノイドをベースにした抗がん作用をもつサプリメントの開発
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16K11863
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡元 邦彰 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10311846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612) [Withdrawn]
西下 一久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20237697) [Withdrawn]
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
十川 千春 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (10253022)
江口 傑徳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20457229)
奥舎 有加 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50762027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フラボノイド / がん / 骨疾患 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
フラボノイドは多くの野菜や果物に含まれる有機化合物で、いわゆるポリフェノールと呼ばれる、より大きな化合物の中の一つである。抗がん作用、抗酸化作用、抗アレルギー作用、血圧上昇作用を抑える作用、などの健康効果が得られることが知られている。しかしながら、どのような構造を持ったフラボノイドが有効なのかといった解析はなされていない。フラボノイドは大きく6つのグループに分類されている。各フラボノイドの代表として、アピゲニン(フラボン類)、フィセチン(フラボノール類)、ダイゼイン(イソフラボン類)、リクイリチゲニン(フラバノン類)、カテキン(フラバノール類)、シアニジン(アントシアニジン類)、がある。今回の申請では、骨粗鬆症や口腔内がんにおける予防および治療後のサプリメントの開発のための基礎的研究として、上述の6つのフラボノイドの各細胞における影響を検討した。当該年度は、アピゲニン(フラボン類)とシアニジン(アントシアニジン類)に関して、破骨細胞形成能を調べた。細胞毒性のない濃度での破骨細胞形成能を調べたが、アピゲニンに関しては、10uMまでほとんど影響を認めなかった。また、シアニジンに関しても、10uMまで破骨細胞形成において、やや減少傾向を認めるものの、明確な有意差は認められなかった。一昨年度破骨細胞抑制能を認めたリクイリチゲニンに関して、骨芽細胞への影響を調べてみた。破骨細胞の形成を抑制する濃度で、骨芽細胞をむしろ増殖させる結果となった。以上の結果から、アピゲニンやシアニジンより、リクイリチゲニンをベースにした構造の探究が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度、研究機関を異動したため、研究機関における動物実験や遺伝子組換え実験における講習会、また実験する際の申請・審査に思いの外時間がかかってしまった。また、今まで前研究機関で使用していた機器、抗体等がなくその準備のために時間を費やされてしまったため、昨年度の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ必要な抗体等全てが揃ってはいないが、当該年度遅れていたリクイリチゲニン、フィセチン以外のフラボノイドについて実験を行っていく予定である。具体的には、まだ行っていない、ダイゼイン(イソフラボン類)、カテキン(フラバノール類)を中心に、破骨細胞形成能をTRAP染色にて、細胞毒性をCCK-8にて、がん浸潤能、遊走能をマトリゲル等を用いて調べる。アピゲニンとシアニジンに関しては、当該年度は10uMまでしか調べていなかったが、細胞毒性のない濃度までさらに添加濃度を上げることも検討したい。
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Causes of Carryover |
(理由)当初計画どおり使用し、端数が生じたため。 (使用計画)平成30年度に予定している消耗品費に充当する。
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