2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11865
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60153087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
池田 和幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30507786)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 川崎病 / 口腔由来細菌 / トランスレーショナルリサーチ / 社会医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病は、乳幼児期に好発する原因不明の全身性汎血管炎である。川崎病は心筋梗塞等の合併症を引き起こし、時には死に至ることもあるため、我が国の少子化現象のなかで大きな問題となっている。川崎病の発症メカニズムは長らく不明であるが、季節性で流行することから、その発症にはある種の細菌やウイルスなど病原体の感染が関連していると推測される。我々は、川崎病が高熱、発疹、口腔内の発赤(咽頭発赤とイチゴ舌)を主症状とするため、口腔を介し感染が成立すると考えた。Actinobacillus actinomycetemcomitansやPorphyromonas gingivalis等の歯周病菌は、感染性心内膜炎や閉塞性血栓性血管炎を引き起こすことから、口腔内フローラのDysbiosis(バランス失調)が宿主の免疫を攪乱し、川崎病を引き起こす可能性がある。 本研究は、歯周病菌投与により、新規川崎病マウスモデルの作成を行う。さらに、川崎病患者のデンタルプラークを採取し、口腔フローラの構成細菌の変化を次世代シークエンサーで調べ、起炎菌の探索を行う。本研究の目的は、長らく不明であった川崎病の原因菌と発症メカニズムを明らかにし、その治療法や予防法の開発につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス(DBA/2, C57BL/6J, CBA/N)にカンジダ菌抽出物を投与することで、川崎病類似血管炎発症が報告されている。このことから、川崎病は病原体の感染や病原微生物に関連した外因性の物質(pathogen-associated molecular patterns:PAMPs)により引き起こされると考えられる。歯周病菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitansやPorphyromonas gingivalis)は、感染性心内膜炎や閉塞性血栓性血管炎等の血管炎を引き起こすことから、川崎病の発症にも関与していると考えた。各種(C3H/He, B10.BR, B10.S, BALB/c, C57BL/6, DBA/2)マウスの尾静脈に歯周病菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans ATCC43718 Y4)を投与し(1.2x10^6 CFU/mouse)、7日後に心臓を摘出、大動脈起始部を中心に連続切片を作成し、HE染色で病理学的に血管炎の病態が引き起こされるかを検討した。しかしながら、予想に反しマウスにおいて川崎病様の病態を作成することが出来なかった。 並行して、川崎病の口腔内フローラのDysbiosisにより、川崎病が発症するのではないかという仮説のもと、次世代シークエンサーで川崎病患者の口腔内フローラを網羅的に解析、川崎病発症につながる口腔内細菌を探索した。初年度は、本学研究倫理委員会に研究内容を申請し承認を得た。さらに本学附属病院の小児循環器科・歯科の研究協力者を通じ、川崎病患者のデンタルプラークを採取した。京都府内における研究協力施設(長岡京市 済生会京都病院)でもサンプル採取を行った。5名の川崎病患者よりデンタルプラークを集めることができたが、当初の目標である20名には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
目標とする20検体が集まらなかったため、研究協力施設を増やす予定である。川崎病は地域性があるため、京都府内だけではなく、他県(岡山県)においてもサンプル採取を行う予定である。サンプルが集まり次第、デンタルプラークより細菌DNAを抽出し、16srメタゲノム解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、京都府立医科大学附属病院の小児循環器科・歯科の研究協力者を通じ、川崎病患者のデンタルプラークを採取した。また、京都府内における研究協力施設(長岡京市 済生会京都病院)でもサンプル採取を行った。その結果、5名の川崎病患者よりデンタルプラークを集めることができ、口腔フローラの構成細菌の変化を次世代シークエンサーで解析したが、当初の目標であった川崎病患者からデンタルプラークを採取できなかったため、解析に必要な費用をすべて使用することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、さらに研究協力施設を増やす予定である。川崎病は地域性があるため、京都府内だけではなく、他県(岡山県)においてもサンプル採取を行う予定である。サンプルが集まり次第、デンタルプラークより細菌DNAを抽出し、16srメタゲノム解析を行う予定であり、その費用として使用する予定である。
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