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2016 Fiscal Year Research-status Report

歯周病菌がフレイルに与える影響の解明を目的とした疫学研究とフレイル予防法の開発

Research Project

Project/Area Number 16K11879
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

小林 恒  弘前大学, 医学研究科, 教授 (50234860)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中路 重之  弘前大学, 医学研究科, 教授 (10192220)
乾 明成  弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (20746391)
沢田 かほり  弘前大学, 医学研究科, 助教 (50624889)
高橋 一平  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (70400132)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsオーラルフレイル / 舌圧 / オーラルディアドコキネシス: / Red complex / 歯周病菌
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は歯周病菌がフレイルに与える影響を明らかにすることである。そのため平成28年度は最初に前段階としてフレイルの口腔機能について解析した。対象は60歳以上の自立した地域住民として口腔内の検査項目として歯数、歯周病の状態、咬合支持域、舌苔上の口腔内細菌、舌圧、オーラルディアドコキネシス、全身的調査項目として年齢、BMI、全身筋肉量、握力を測定した。血液検査として食欲調整ホルモンとしてレプチン、炎症性サイトカイン等を測定した。フレイルの診断はフレイル質問票により行った。
その結果 女性では年齢とODKは何れの発音においても有意に相関していたが男性では舌圧とODKともにフレイル群では何れも低値を示すものの有意差はなかった。よってフレイルの前駆状態としてのオーラルフレイルの診断のための口腔内診査は舌圧測定よりもODKが適している可能が窺えた。さらにフレイルサイクルの1つである食欲の低下に関して脂肪細胞から分泌される食欲抑制作用のあるレプチンがフレイル群で上昇している傾向があることも判明した。また、フレイルの症状として重要な嚥下障害に関して口腔環境との関連性を検討した結果、歯数と口腔乾燥が嚥下障害と有意に関連していることを明らかとした。口腔内細菌はT-RFLP法で全細菌を網羅的に検出しているため結果がでるのに予想以上に時間がかかり、現時点では分析が終了していない。そこで口腔内細菌と炎症性サイトカインに関しては昨年度のデータから統計学的に解析した。その結果、口腔内細菌の総和の中に占めるRed  complex比と炎症性サイトカインであるTNF-αが有意に相関していることがわかった。このことより歯周炎からの慢性持続性感染が炎症性サイトカインを介して全身に影響を及ぼすことが予想される。平成28年度のデータが揃ってからRed complexとフレイルに関して統計学的に解析する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

口腔内細菌はT-RFLP法で全細菌を網羅的に検出しているため結果がでるのに予想以上に時間がかかり、現時点では分析が終了していない。本研究の事前準備として行っていた平成27年度の健診において測定していた口腔内細菌と炎症性サイトカインのデータを解析した結果、Red complex 比が有意に相関していることが明らかとなった。よって、炎症性サイトカインを介したフレイルのメカニズムに関しては期待できるのではないか予想している。しかし、オーラルフレイルそのものの診断基準は確定されていないため、本研究ではオーラルフレイルの診断基準を確立することも必要であり、今後データの蓄積が必要である。
現在までの解析では対象住民において年齢と相関して舌圧とオーラルディアドコキネシスが低下しており、女性においてはフレイルにおいてオーラルディアドコキネシスが有意に低下していることが確認できた。

Strategy for Future Research Activity

今後の計画として現時点でオーラルフレイルの診断基準はないためフレイルとオーラルフレイルの関係を明確することが出来ない。そのため、正常、プレフレイル、フレイルとの三段階において口腔機能の違いを検証する。また舌圧・ODKに差がでにくい理由として、岩木健康増進プロジェクトでの被検者が比較的健康で体力のある人が集まっている可能性は否定できない。そこで、岩木健康増進プロジェクトに引き続き行う弘前市の認知症コホート研究にまで対象者を増やすことで新たにデータを追加して同様の検討を行う。

Causes of Carryover

岩木健康増進プロジェクトは1年に1回大規模に行われるコホート研究である。その時期が5月末から6月中旬と既に決まっている。研究を解析した結果、より信頼できる結果を得るためには口腔機能検査の対象者を大幅に増やす必要があると考えられた。現在の約500名に1500名加えて2000人まで拡大する予定である。そのためには測定のための消耗品が多量に必要となるため次年度の健診に備えて翌年度に使用額を持ち越す必要があった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

舌圧測定に必要な舌圧プローブを購入する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Oral conditions and dysphagia in Japanese, community-dwelling middle-and older-aged adults, independent in daily living2017

    • Author(s)
      Inui A.,Takahashi I, Kurauchi S, Soma Y, Oyama T, Tamura Y, Noguchi T, Murashita K, Nakaji S, and Kobayashi. W
    • Journal Title

      Clinical Interventions in Aging

      Volume: 12 Pages: 515-521

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 地域住民高齢者の口腔機能検査―特に舌圧とオーラルディアドコキネシスに関してー2017

    • Author(s)
      佐竹杏奈、乾明成、小山俊朗、田村好拡、長内俊之、野口貴雄、石崎博、倉内静香、徳田糸代、相馬優樹、村下公一、高橋一平、中路重之、小林恒
    • Journal Title

      体力栄養免疫学会誌

      Volume: 27 Pages: 印刷中

    • Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 地域住民高齢者の口腔機能検査―特に舌圧とオーラルディアドコキネシスに関してー2016

    • Author(s)
      佐竹杏奈、乾明成、小山俊朗、田村好拡、長内俊之、野口貴雄、石崎博、倉内静香、徳田糸代、相馬優樹、村下公一、高橋一平、中路重之、小林恒
    • Organizer
      第26回体力栄養免疫学会
    • Place of Presentation
      長崎大学(長崎県、長崎市)
    • Year and Date
      2016-08-27

URL: 

Published: 2018-01-16  

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