2021 Fiscal Year Research-status Report
看護学生から新人看護師への移行を支援する統合看護実習教育の検討
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16K11942
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
三谷 理恵 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (70437440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 幸 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (40379459)
関戸 啓子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90226647)
香川 秀太 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (90550567)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統合看護実習 / 移行支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は第2段階調査の分析を継続しており、学生時代および新人看護師になってからの2段階において調査協力が得られた5名の研究参加者の分析を継続して実施した。研究参加者は全員が学生時代に自分の将来のキャリアを意識した実習領域を選択しており、学生時代のインタビューでは、複数患者の受け持ちや多重課題、時間管理等について学生自身が直接実践した経験はほぼ語られておらず、看護職としての働く場の広がりや、入退院支援を見据えた看護活動の実践体験など、看護職としての視野の広がりを実感している様子が示されていた。 学生から新人看護師への移行直後の時期は、統合看護実習での学習体験が日々の看護実践への直接的活用の自覚はなく、想像以上の多忙さや多重課題への対処、時間管理の難しさ等、学生から看護師への移行初期に生じやすい困難が語られていた。病棟にある程度慣れてきた時期になると、統合看護実習での学習体験を振り返り、患者の退院後の生活を見据えた関りを意識的に行っている感覚や、多職種との連携を見越した関り等、統合看護実習での学習体験が間接的であってもの日々の看護実践とつながり意味づけられている様相が示された。また、研究参加者はいずれも急性期医療機関で看護師として勤務していたが、将来自分が進みたい看護実践の場を見据え、今の自身の看護師としての在り様が語られることもあり、統合看護実習での学習体験は、参加者にとって看護師としてどのようなキャリアを歩み進んでいくのかを見通す学習機会にもつながる可能性が推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度内に新人看護師対象調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染症拡大状況及び教育機関においても統合看護実習形態の大幅変更が生じている現状が持続していること、および医療機関での調査協力に伴う負担を考慮し、今後も調査方針には再検討を要している。また、第2段段階調査分析は研究者間で分析共有手段の確保や分析方針の部分的な修正があり、データ分析に時間を要していることから全体に遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も新型コロナウィルス感染症の影響は継続したが、研究環境整備を進め質的データの共有と分析を加速化していく予定である。現在5名の学生時代の学習体験の傾向、新人看護師移行期から調査時点までの看護実践体験への統合看護実習での学習の影響、キャリア志向性への影響の視点から検討を進めており、研究成果の報告につなげる。またこれまでの成果を総合し、統合看護実習の学生から新人看護師への移行への影響を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度に計画していた第2段階調査の成果発表に至らず繰り越しが生じている。そのため繰り越し予算は今後の成果発表に関連する費用に活用予定である。
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